え。ここの登るんですか。

ほとんど垂直じゃないですか。断崖絶壁じゃないですか。

黒の教団って世界の終焉を阻止するところですよね。

なのに、

 

 

なんで、こんなラスボスの城みたいな雰囲気出してるんですか!?むしろ終焉させそうですよ!!

 

 

 

 

第2夜 入団希望者

 

 

 

 

 

 

 

断崖絶壁をよじ登る一人の男。フードをかぶっているが、かすかにはみ出た髪は銀色だ。周りには黒いゴーレムが飛んでいるが全く気に留めていない

そして、男の頭には銀色のゴーレムが乗っていた

「なぁ、ミッシェル」

「なんだ」

男がぽつりとつぶやくと、誰もいないはずが声がしてきた。どうやら背中にしょっている鞄からしてくるようだ

「黒の教団を作った人って、

 相当センスが悪かったのか?」

「そんなこと私に聞くな。私はお前より生きていないぞ」

それもそうだよな、とつぶやく男

そんなことを話しているといつの間にか頂上に着いたようだ

「やっと着いたぁ〜!!」

頂上にあったのは、一番上が雲の上に隠れるほど高い建物だった。やはりここにもゴーレムが飛んでいる

「悪の総本部」

「ちがうから。黒の教団だから」

鞄からの突っ込みは無視して(酷っ

やっと、黒いゴーレムに注意を向けた

 

 

「しつちょぉ〜」

「何だい?リーバー班長」

「なんか、明らかに怪しいヤツがいるんスけど」

「よし、じゃあ落そう」

「いやいやいや、ちょっと待って下さい」

今にも、行動に移りそうな巻き毛室長を必死で止めるリーバー。誰かこの人の魂と職場の救済をしてやってください(切実

画面に映ったフードの男の頭を指さす

「このゴーレム、クロス元帥のに似てませんか?」

「!」

前面には、大きく十字架が刻印されており、羽は外にあるゴーレムよりも凝った作りで、尻尾は炎を思わせる。元帥のゴーレムと唯一違うのは金ではなく銀のところだけだ

もし、元帥の弟子だとしたらここ数年でもっとも大きな発見だ。なにせ、ここ4年ほど元帥の生死が確認できていない

『すみませ〜ん』

 

 

 

ゴーレムから人の声らしきものが聞こえてくる。ああ、良かった。無人だったら私飛び降りようかとっ!(何故

先ほどの言葉に続いて言葉をつなぐ

「クロス・マリアン元帥の紹介で来ただが、教団の幹部の野郎の方に謁見したいのだが」

『元帥の知り合い!?あの人生きてたのか!!』

『ってか、今野郎って言わなかったか?』

失礼な。言いませんでしたよ。我慢したんですよ

『門番の身体検査受けて』

門番なんていたか?そんなことを思いつつ後ろを振り返る

アレですか

巨大な門の間にあるこれまた巨大な顔。あごには「Gate keeper」と書いてある

クロスから聞いてましたが、確かにきついですね

アレスティーナ=ドロエ=ギョナサン=P=ルーボーソン=ギア=アマデウス5号

多少恐怖を覚えながらも門番ににじり寄る。ああ、絶対夢に出てきます・・・(泣

前に立つと、門番の目から光が出てきて私を照らした

しばらくじっとしていると。門番が汗を流していることに気がついた

機械なんだから水は厳禁じゃないんですか!?あっ、そしたら外にない「コイツアウトォォォオオオォォォ!!!」

「へっ!?」

「頭のてっぺんから足の先まで全く映らねぇ!!コイツは千年伯爵のカモに違いねぇ!!」

「違ぇよ!!分解されてぇのか!!」

しかし、門番は叫び続ける。ああ、いい加減耳が痛い・・・

耳を押さえていると、門の上に人の気配を感じた。ばっと上を向くと

教団のコートを着た赤い髪と黒い髪の男がいた

しかも、コートの色は黒だ

「(エクソシスト、ですよね・・・)」

クロスも黒のコートを着ていたからまず間違いない。つまり、あちらは明らかに臨戦態勢だがケガをさせてはいけないということだ

「たった一匹でくるとはいい度胸じゃねぇか」

「来るなら大群で来ると思ってたんだけどな〜」

とりあえず弁明してみよう

「いや、ちょっと待て、私は「死ねぇ!!」うわぉう!?」

黒髪の男が切りかかる。どうやら弁明の余地はなさそうだ。まぁ、気絶くらいなら大丈夫だろう

「いや、私はAKUMAじゃな、ぁぁあああぁぁい!?」

直後、私の立っていた場所に巨大ハンマーがめり込んだ。そんなことよりも気になるのはどこから出したんですか!それ!四次元○ケットですか!?

「なかなかやるさぁ」

「一匹だけで来たのに、弱かったら意味ねぇだろ」

「そういやお前、転換しないんか?」

今ならしたいと思ってしまった16歳の春。しかたないのでとりあえず黒髪の男に白椿で切りかかる。これでアクマに決定されますね、私

これがいけなかった。あのハンマーでこの間合いでは攻撃できないと思ってしまった

「っ!?」

体の右側に衝撃が走り、壁に叩きつけられる。ハンマーに殴られたかのようだ。あっ、実際そうでした。それより今伸びましたよ(冷静

「(肋骨の1、2本はいきましたね・・・)」

まぁ、いいです。たいしたケガじゃないですし。起き上がろうとしていると、上方に黒い刃

「!!」

防ごうとして左腕を掲げるが、その前に銀色の閃光が飛び出し、刃を受け止めた

「「なっ!?」」

「ミッシェル!!」

鞄から飛び出したのは銀色の狼

「ちっ、新手のアクマか・・・」

「動物のアクマなんて初めて見るさ!」

「何匹いようが、たたっ切るまでだ!」

二人が大きく跳躍し飛びかかってきた。私はその隙を逃すような甘いヤツではない

「白椿第二解放!」

「「!?」」

「氷華!海原の舞!」

巨大な扇となった白椿をふるうと、地面が凍りつきあたり一面が氷原となった

私は攻撃をあっさりとよけ、背後にあたるところに着地した

二人は態勢を整え着地しようとしたが、下は一面の氷。つまり滑る

結果、着地に失敗した二人は滑り、

ゴンッ!!

頭を打ち付けた。痛そうですね(他人事

他人事言えどさすがに心配になったので、連れに聞いてみる

「アイツら生きてるよな?」

「知るか。死んでても自業自得だ」

「相変わらず冷たいな、ミッシェル」

今度はミッシェルが私の突っ込みを無視し、またざわめき声が聞こえてきたゴーレムに話しかけた

「そっちクロス・マリアンからの紹介状は来ていないか。来てなかったらここつぶすぞ」ボソッ

完璧なおどしですよ

 

 

 

<あとがき>

当サイトのヒロインに初めて会う人はもれなく3/2の確率で痛い目に遭います