クロス、やっとつきましたよ。悪の総本部もとい黒の教団総本部

ですけど、

 

 

こんな物騒なところとは聞いてませんでした!(前夜参照)

 

 

 

 

第3夜 再開

 

 

 

 

 

 

リーバーや他の科学班員は一斉に巻き毛室長もといコムイを振り返った。手紙がないとなれば大抵こいつの机に埋まってしまっているからだ

「し〜つ〜ちょ〜お〜?」

「僕探してくるよ〜」

日頃の恨みやら殺気やらなにやらをぶち込んだ目で睨みつけると、コムイは自分の机に走り寄って行った。蜘蛛の巣が張っているのにはもう慣れた

あれだけ雑多に積み重なっていれば見つけるのに1年は必要だと思った化学班の何人かは溜息をつきながら一緒に探す

「あっありましたぁ!」

「読んで!」

命令するなよ、とか思ってしまったのは心の中に留めておいて、もうよれよれになって破けたりし始めている手紙を読み上げた

 

コムイヘ

近々、というやつをそっちに送るのでヨロシクな

PS.そいつにケガ一つでも負わせてみろ、その時は教団を破壊するからな

by.クロス

 

場の空気が一斉に凍りついた

「アルページュ、こいつらを喰うな」

右手のイノセンスを発動させて頭の傷を治療していると、のゴーレムのアルページュが二人を食用にしようとしていた

すかさず尻尾を掴み引き留める。アルページュが本気をだせば軽く致命傷レベルの傷を負わせられる

ああ、いつの間にこんなに凶暴になったんですか。教団に行く途中も人襲ってましたよね。この間まではおとなしかったのに!(クロスの仕業

アルを頭に乗せる。それにしても遅いですね。仕事中か何かだったんでしょうか

『さっきはごめんね〜、くん』

周りを飛んでいるゴーレムから声が聞こえてきた。本当にすまないと思っているのか疑いたくなりますね

『元帥からの手紙が確認できたので入城を許可します』

「かっ開門んん〜?」

ゴォォオオン

物々しい音とともに門が開くと、白衣を着た人が二人のエクソシストに近寄って行き運んで行った

「俺は化学班班長のリーバー・ウェンハム。これから室長のところに連れて行くからついてきてくれ」

私はうなずいて、門をくぐった

 

 

 

キィ

「どぉ〜も、化学班室長のコムイ・リーでっす!!」

私は部屋に踏み込んだ途端に驚愕した。別に襲うことを命令した張本人がこんなに軽いノリだからとか、そういうわけではなく、その書類の量だった

机の上、イスの上、もちろん床にも散らばっており、白い絨毯と見間違えそうだ

これは踏んでもいいものなんでしょうか。迷っているとコムイと名乗った人物に引っ張られソファに座らせられた

「疑ってるわけじゃないんだけど、手紙だけじゃ本人の確認が取れないから、何か証明できるもの持ってないかな?」

うわべは笑っているが、その目には鋭い光が宿っており油断していない

確かに、こんなに深くフードをかぶっていると怪しく見えますね。予想はしてましたけど

うなっているミッシェルをなだめる

私は自分の首の後ろに手を回すとチョーカーをはずし、テーブルの上に置いた

そのチョーカーは黒いビロードでできており、エクソシストのコートにあるボタンがついていた

コムイはそのチョーカーを持ち上げると、ボタンをひっくり返した。光を反射してボタンが光る

そこには「Cross・Marian」と彫られていた

コムイの警戒心が消えた

「ところでさっきラビに攻撃されたところ大丈夫かい?」

「ああ、肋骨が1、2本折れたくらいだから大丈夫だ」

それって大丈夫じゃないだろ!化学班の心が一つになった瞬間だった

「ちょっと室長どうするんですか」

「何がだい?」

「何が、じゃないですよ!あの人はやるといったらやりますよ!?ほんとに教団壊しに来ますよ!」

「だっ大丈夫だよ。バレなきゃ」

後ろで何かしゃべってますけど、やっぱりまだ怪しまれてるんでしょうか?それよりも男装解いちゃってもいいですよね?

再び胸に手を当てると「ラファエル解除」とつぶやいた

「失礼ですが、チョーカーを返していただけますか?」

「あっ、うん。ごめんね・・・っ!?」

コムイとリーバーが振り向くとそこにいたのは、先ほどと全く違う人物だった

フードがずれて現れた腰まである銀色の髪

その間から覗く耳

誰が見てもうらやましがるような綺麗な体型

その美しさに思わず息をのんだ

「あの〜?」

「えっ?あ、ああ!えっと君は誰だい?」

「私はですよ」

「「ええっ!?」」

「イノセンスの能力です。生物なら想像すればほとんどのものは変身できるんです」

ぽかんとしている二人を見てミッシェルが笑い始めたので、口を押さえる。大抵の人は突然ミッシェルがしゃべると驚くので、はじめに説明していたほうがいいのだ

ミッシェルが恨めしそうな視線で見てきたので、小声で謝る

「ところで、あの刀はなんなんだい?イノセンスかと思ったけど」

「それは、」

ガチャッ

「兄さん、コーヒー持ってきたわ」

入ってきたのは綺麗な黒髪をツインテールにした少女

私は驚愕した。見たことがある。それも小さい頃、教団の中で

名前は・・・、

少女がこちらを向いた

ガチャーン!!

「リナリー!?」

リナリー。そう私が絶対に守ってあげると約束した少女

リナリーは落してしまったコーヒーを気にも留めずに、こちらを見ていた

私は思わずうつむいた。リナリーは私のことを恨んでいるに違いない。約束を破ってしまったのだから

手を握り締める。会うことになるのは薄々感づいていたのに体が震える

と、突如、体を覆う温かさと自分のものではない温かい液体が頬を伝った

リナリーだった

すると、突然私の中に熱いものがこみあげてきて涙が流れた

泣いた

これまで会えなかった年月を洗い流すかのように泣いた

ミッシェルはそれを見つめていた

 

 

 

<あとがき>

リナリーとヒロインは黒の教団に昔いたころの親友です

詳しいことは近いうちに過去編でやろうと思います(汗

名前変換が少ないのはいつものことです