アレンが来てからの初任務です

 

 

 

 

第2夜 任務開始

 

 

 

 

 

教団関係者のみ使える地下に流れる川

そこに浮いた一隻の船の傍に、、アレン、神田、それにコムイとリーバーがいた

「ちょっと大きいね」

「これ、着なきゃいけないんですか?」

「エクソシストの証みたいなものでね」

「大丈夫ですよ。アレンはまだ身長伸びると思いますから。それに、頑丈なんで普段着よりずっと便利ですよ?」

大きめの服を着て、少し困ったような顔をするアレンが可愛く思えては思わず笑みをこぼした

は、アレンがクロスの弟子になってから、世話をしたり、イカサマのテクニックを叩き込んだりしていたので、アレンを弟のように可愛がっていた

今現在でも変わらないが

「左手の防具はボク的に改良してみました」

コムイがそう言うと、アレンの肘のあたりで何かが動いた

それは袖まで来ると飛び出してきた

「ティムキャンピー!どこ行ってたんだお前!」

「ティム、久しぶりですね!」

手を差し出すと、ティムは掌に乗ってきた

そこに、のゴーレムアルページュが来てじゃれ始める

クロスのところで修行していた時は、いつもの光景でしたね

がティムとアルに夢中になっている隙に、アレンがコムイに話しかける

「コムイさん、僕は昨日から納得がいかないことが一つあるんですが」

「何だい?」

「なんでの団服はミニスカートじゃないんですか!?確かにズボンも、足のラインが強調されていいですが、ミニスカートは男のロマンなんですよ!?」

アレン的ミニスカートの考察。

リナリーはミニスカートだったじゃないですか!

そう言いつつ、コムイの胸倉を掴み、アレンは問い詰めた

「僕だって、着せてみたいんだよ!?けど、アレン君は知ってるでしょ?ちゃんの足のこと」

アレンはそれを聞いて口をつぐんだ

の足のことは、師匠に聞いている

「アレン、どうかしたんですか?」

「いえ、なんでもありません!」

何やら慌てているアレンが気になるところだが、船に乗り込んだ

 

 

 

 

 

「ちょっとひとつ分からないことがあるんですけど!」

「それより今は汽車だ!」

「これに遅れると次までかなり待たないといけないんです!」

道を猛ダッシュ・・・、ではなく、忍者の如く屋根の上を飛び越える

「お急ぎください。汽車が参りました」

「でぇえっ!?これに乗るんですか!」

屋根の上は何度か飛び越えたことはあるが、さすがに汽車の屋根に飛び移ったことはないらしいアレンが、一瞬躊躇した

はそれを見ると、アレンの腕を掴んだ

「え、!?」

「ぐずぐずしない!」

ダンッ

「飛び乗り乗車・・・」

「いつものことでございます」

「アレン、ケガしませんでしたか?」

「あ、大丈夫です」

「ハッ!に助けてもらうなんて情けねぇな」

に腕を掴まれ、汽車に飛び移ったアレンを見て、神田が鼻で笑った

アレン自身もそう思ったのか、言い返さない

「ユウ、私だって最初は助けてもらったんですから仕方ないですよ」

「このパッツンにですか!?」

「うるせぇ、くそモヤシが!!」

わー、犬猿の仲ってこのことを言うんですね(他人事

神田が誰かと言い争うのは、アレンが道に迷うのと同じくらい日常茶飯事なので、アルの口に手を突っ込む

もう一度手を引きだしたときに掴んでいたのは、胸にローズクロスが縫い取られた長いフード付きのマント

耳と尻尾を隠すためのものだ

「毎回思うんですけど、四○元ポケットですか?」

「そうそう、某猫型ロボットの・・・・・、アレンって英国紳士ですよね?なんで知ってるんですか?」

英国生まれかは知りませんが、絶対に日本男児じゃありませんよね

そんなことを考えて、神田をちらっと見ると視線が交錯した

神田はを見て一瞬、何か言いたげな顔をしたが、トマのあとについて汽車の中に入った

 

 

 

「今度こんなことがあったら、汽車の窓から放り出しますから」

「「ゴメンナサイ」」

の目の前で正座をするアレンと神田

実は、先ほど「第37回!THE☆座席争奪戦!」が繰り広げられたのだ。正しくは、繰り広げられかけた、だが

の隣に座るのは誰だ!ということでアレンと神田の間で口論が起こったのだが、は理由が分からないのに口をはさんで悪化するのも、と思い、いつものように遠慮する探索部隊ファインダーの人間(この場合はトマだが)をコンパートメントに招き入れたのだが、座らせた位置が悪かった

というのも、の隣

それが、もともと白熱していた二人の争いをヒートアップさせ、果てはイノセンスを発動させるような暴動になったのだ

そこで、困った殺戮兵器もといアルページュを投下

そこで事態は赤く治まったのである

ということで、上記の言葉で説教は終了し各自席についた

「で、さっきの質問何ですけど・・・」

「アレン、貴方の手の中で、任務内容の書いてある書類がゴミと化そうとしていますが」

「あ、すみません。つい力が」

「それに神田。ものすごい勢いでトマを睨みつけないで下さい。あと数秒もしたらトマが凍ってしまいます」

「チッ」

みるみるうちに青ざめていくトマを見て、勇気を振り絞り救出作戦に出た

なんですか。さっきの説教がそんなに気に入らなかったんですか(違

だって、の隣は相変わらずトマだしね!(By.管理人

は癖で、右手で尻尾を梳きながら、左手でクロスにもらった指輪を弄び始めた

「何でこの奇怪伝説とイノセンスが関係あるんですか?」

それを聞いた途端に、神田の顔がそんなことも分かんねぇのか、というような顔になり舌打ちをした。

「おい、「駄目ですよ、ユウ。貴方は何か説明するとき、いつも他の人に頼むでしょう?たまには自分でやって下さい」・・・・」

数秒の沈黙。

は、有無を言わせない笑顔で神田を見つめる

そこで、神田が折れた

「イノセンスってのはだな・・・、大洪水から現代までの間に、様々な状態に変化しているケースが多いんだ

初めは地下海底に沈んでたんだろうが・・・

「その結晶の不思議な力が導くのか、人間に発見され色んな姿形になって存在していることがある」

「つまり、それは必ず奇怪現象を起こすんです。理由は分かりませんが」

「じゃあ、この「マテールの亡霊」は、イノセンスが原因かもしれないってことですか?」

「そうですね(ロザンヌがイノセンスだったということは黙っておきましょう・・・)」

私には随分懐いてくれたのに、アレンには恐ろしいくらいに懐きませんでしたね

朝起きたら、アレンが頭から食べられてたのが今でも思い出に残っています

アレンが未だに不思議そうな顔をしているので、とりあえずマテールについて教える

は、地下水路で資料を読んで、すでに記憶してしまった

今までの任務内容も事細かに説明することができる

驚異的な記憶能力。忌み嫌われてきたのは容姿だけでもなくこの能力のこともある

昔、嫌われる要因となったことが今こうして役に立つとは

こうしていられるのも、全てクロスのおかげですね

指輪に目を落とし、ふっと目を細めた

「岩と乾燥の中で劣悪な生活をしていたマテールは『神に見離された地』と呼ばれていました

絶望の中で生きる民達は、それを忘れる為に人形を作りました

踊りを舞い、歌を奏でる快楽人形

ですが結局、人々は人形に飽きてしまい、外の世界へと移住しました

置いていかれた人形は、それでもなお、動き続けました」

そこで、アレンと神田が何かに気づいたように息を飲んだ

「500年経った現在でも」

指輪から目を上げ、尻尾を梳いていた手を止め、トマを見る

「そうでございます」

何故かのはめた指輪を見て、黒オーラを出し始めたアレンに半ば怯えつつもトマが言った

「トマも今回の調査の一員でしたので、この目で見ております」

「マテールの亡霊の正体は・・・」

 

 

 

岩だらけの地を駆け抜ける

一見したところ、走っているのはアレンと神田それにユニコーンにも見える

しかし、純白のユニコーンはがイノセンスで変身したものだ

その上に乗るのはトマだ

以外は気づいていないが、はずいぶん前から不穏な匂いを感じていた

よく知る死と恐怖の匂い。それに血とアクマ

しばらく無言で走ったのち、アレンが口を開いた

「マテールの亡霊がただの人形だったなんて・・・」

「イノセンスを使って造られたのなら、ありえない話じゃない」

そう神田が言ったところで、二人の動きが止まった

は、並足で数歩歩き、崖のすぐ近くまで行く。それに続いて、二人

は耳を動かして、音を聞きとる

アクマによる破壊の音。悲しげな風の音

「ちっ、トマの無線が通じなかったんで急いでみたが・・・、殺られたな」

トマを背中からおろし、元の姿に戻る

アレンを見れば、つらそうな顔をしている

そんなアレンを見て、神田が言う

「おい、お前。始まる前に言っとく。お前が敵に殺されそうになっても、任務遂行の邪魔だと判断したら、俺はお前だけを見殺しにするぜ!戦争に犠牲は当然だからな、変な仲間意識は持つなよ」

ユウ、今の言葉で雰囲気ぶち壊しなんですが

「何言ってるんですか?僕は、アクマに神田が運悪く殺されてしまったあと、と愛の逃避行をするんですよ」

今の言い方に、殺すというニュアンスを含んで聞こえたのは、激しく気のせいだと思いたいです

ドン

突如として響いた音の方向を見れば、アクマが何かを攻撃している

「アレン!?」

勝手に飛び出して行ってしまったアレンを呼び止めるも、聞こえなかったようだ

「追いましょう!」

「チッ、あの馬鹿が!」

 

 

 

<あとがき>

久々のDグレ連載更新。Dグレは難しいですね(汗)

書いている途中で面白い誤変換があったので、書いてみます

「待てール」

・・・どこ?何語?