第4話 二人の仲は最悪

 

 

 

 

 

 

「ああ、ユウ。嫁入り前なのに助けに来るのが遅くなってしまい申し訳ありません!」

神田はこれでも男ですよ」

激昂したララをなんとか落ち着かせ、3人の治療に取りかかった

比較的ケガの軽かったアレンとトマを治している間、ララがグゾルとの話をする。関節からの金属のきしむ音、それに人間らしくない無機質な匂いでもしかしたらと思ったのが当たったらしい

ララの話は、の過去と似ていた。ララはクロスで、グゾルはだ。少し違う部分があれど、あらすじは同じようなもの。人とは違う容姿、それを持つ者の苦しみは痛いくらいに分かる。理解者の出現、何よりもの救いだった

神田の団服をめくると、は顔をしかめる

左肩から右足の付け根まである傷に指を走らせると、一瞬神田が顔をゆがめる。口元に耳を当てると、不規則に息がかかった

「傷が・・・・、肺にまで届いているかもしれません」

こんな状況で使いたくはなかったのですが、と続けて呟く

それと同時に背から純白の翼が現れた。アレンは久しぶりに見るそれに、目を細めたが同時に不安が頭をもたげる

は神田の上に覆いかぶさると、ちょうど心臓辺りに顔を押し付け、彼の右手を握り締めた

2人が白い光に包まれたかと思うと、しばらくしてから光が消えた

「ゲホッ・・・」

、大丈夫ですか?」

「はい・・・ゲホッ・・・全然・・・ハァ、ハァ・・・全く・・・ゲホッ・・・平気・・・カハッ」

「どこがですか!?」

満身創痍で今にもぶっ倒れそうな実は神田の治療に使ったミカエルは、治療速度が速い代わりにガブリエルよりも疲労が激しい。そりゃもう腹筋1000回したあと、トライアスロンして、クロスカントリーやった後、兎飛びで階段1000段上ったくらいに(ぇ

といっても相当な重傷を一気に治そうとしない限りは、倒れたりすることはないのだが。おまけに治療した傷を攻撃として放つこともできる。結局のところプラスマイナス0、どちらかというとマイナスに傾いた代物なのだ(救いどころねぇ

アレンはがこれを使って倒れたのを見たので、不安になったのだ

はお人好しのところは変わらないんですね。こんな人が死んでも世界が良くなることはあっても、悪い方に傾くことなんてないじゃないですか」

「アレン、ホントに私のいない間に何があったんですか?

悪い方にも行きますよ!?エクソシストが少ないんですから!!」

 

「ハッ、こんなザコの穴、僕がありあまるくらいにカバーできますよ」

 

「アレーン!!??」

 

クロス、もしかしたら貴方の所にアレンを一人置いていったのは間違いだったのかもしれません。修行が厳しすぎて、アレンが捻くれてるんです(違

とっとと帰って神田はアクマに殺られましたって報告しましょうと、今にも帰る気満々のアレンを必死に止める何故なら彼が向かっていた先が気絶している神田のもと

「あ、あの」

「え、あ!すみません!アレン、任務完了してないんだから帰れませんよ!?ユウの命も絶たないで!!」

「・・・・・・の頼みなら仕方ありません」

戸惑うように声をかけたララによって、なんとか事態の収束を遂げた。神田の命と話の進行は守られた

ララはぎゅっとの服の袖を掴み、懇願するように話し始めた

 

「グゾルはね、もうすぐ動かなくなるの・・・。心臓の音がどんどん小さくなってるもの

最後まで一緒にいさせて

最後まで人形として動かさせて!!お願い・・・」

 

「分かりました」「ダメだ」

 

の声と同時に否定の声が響き、驚いて振り向くと、意識を取り戻したらしい神田が体を起こしていた

「ユウ!!」

「俺達はイノセンスを守るためにここに来たんだろ!?」

「うるさいですね。怪我を治してもらったのに、その口のきき方は何ですか。よほどその命要らぬと見える」

「えええええ!?なんで時代劇口調なんですか!?」

「なっ!、ガブリエル使ったな!?あんだけ使うなって言っただろうが!!」

「わわ!す、すみません!!」

「やかましい」

ガスッという音とともに、アレンの鉄拳が振り落とされた。しかも左腕。発動していたらとっくに神田はお陀仏だろう

それにキレた神田はアレンを睨みつける。そしてアレンも同じように神田を睨みつけ、今にも火花が飛び散らんばかりだ

周りに引火したらどうしようと見当違いのことを考えながら、半ばあきらめが入りアルページュを指にまとわりつかせる

一緒の任務の度に喧嘩なんかしてたら、埒が明かないじゃないですか

「トマ、あの二人の仲は良くならないものでしょうか」

「無理だと思いますが・・・・・」

「うぅ、今度2人が一緒になったときに同行する探索部隊ファインダーの方が不憫でなりません」

二人のケンカに割って入れば、イノセンスを持つ2人にケガをさせられるだろうし、かといって放っておけば周りに被害がおよぶ

は手を顔にうずめ溜息をついた。今度コムイに相談をしないと、というつぶやきを聞いたトマが同意を示した

トマくらいしか話の分かる常識人がいません。トマが一緒で本当に良かった!!

その時、壁の向こうから不吉な音がするのに初めて気づいた

 

ドカッ

 

振り向いたときには 遅 か っ た

 

 

 

<あとがき>

久々すぎて前回の更新がおもひでになりました(ぇ

今回で完璧にアレンが腹黒化しました。ってか「魂界」ってなんだ。誤変換にもほどがあるだろ。あれかブリーチのせいか

そんなに書いてないのに(コラ