大きく息を吸い込み、弓に矢を番える
弓矢を持った両拳をゆっくりと持ち上げ、弓を引き切る
狙うのは直径50cmほどの的
紫の瞳を薄く開き、的の中央を狙う
ピンと張りつめた空気の中では、誰もが息をするのさえも忘れてしまいそうだ
一瞬の眼光が鋭くなる
そして、
「おい、。もう昼飯だぞ」
カッ
矢は、10cmほど離れた所にささった
毎回毎回、なんなんですか、貴方っていう人は!!
LUNCH TIME
弓道部部長
剣道部部長神田ユウ
そして、あとから加わったテーブルゲーム同好会部長アレン・ウォーカーに、帰宅部部長ラビ
テーブルゲーム同好会は、どちらかというとイカサマ研究会みたいなものだが、そこは誰もツッコまない
そして、帰宅部は本当に存在しているが、活動内容は不明
以上が、
本当ならばリナリー・リーも入るはずなのだが、生憎彼女は生徒会会長である
「ユウ〜、いけないさ。の邪魔しちゃ」
「そうですよ。僕は、の凛々しい姿を影からこっそり見に来たのであって、神田の声を聞きに来たわけじゃないんですから」
「てめぇ、何ストーカーみたいなこと言ってやがる」
ああ、だからですか。時々、視線を感じたのは。
半分呆れながらも、購買部から買ったパンを口に運ぶ
この学園では、ほとんどの生徒が外で昼休みを過ごす
なので、同じく外で食べている4人も人目につくので、周囲からの熱い視線が絶えない
といっても、もう慣れてしまったので、ラビ以外は気にも留めないが
「ラビ、少しは落ち着いて食べれないんですか?行儀が悪いですよ」
先ほどから、黄色い声を上げる女子たちに、手を振ったりしてファンサービスが絶えないラビを取り敢えず、形だけ叱咤するも何度言っても止めないことは分かっているので、誰も本気で止めようとは思わない
その時、アレンが思い出したように口を開いた
「そういえば、今日のテストどうでしたか?」
「あ、そういえば、そんなものもありましたね」
「テストをそんなもの呼ばわりできんのは、くらいだろ・・・」
「ほんとさー・・・」
そう、実は今日は期末テストがあったのだが、さすがに名門校だけあって、難しさは伊達ではない
いくら選ばれた生徒だからと言って、運動面で選ばれた生徒もいるし、学習面で選ばれたとしても、60点取れればいいものなのだ。そして、この学校の歴史上、毎回90点以上を取り続けているのは校長の名目上での娘、だけなのだ
さすがに、そのテスト期間に部活をやろうなどという愚か者はいないので(いてもどうせできないと思っている人)、今日から部活解禁なのだ
「それほど難しくはなかったと思うのですが・・・」
「十分難しいさ!オレなんか7割くらいしか埋まらなかったさ!」
「フッ、勝ちましたね。僕は8割埋まりましたよ」
「た、たった1割差さ!たいして変わんないさ!」
その1割差が命取り(ぇ
けど、私たちのクラスの担任はコムイなので大丈夫でしょう。相当な点数を取らない限り。これが、クラウド先生とかソカロ先生だとしたら、散々な目に逢うかも知れませんが
「それでも、埋まったところが全部あってるかどうか分かりませんよ?で、ユウはどうだったんですか?」
「・・・」
沈黙
冷や汗をダラダラ流す神田を見れば、いやでも分かるというもの
「ユウ、まさか・・・、またですか?」
「・・・ああ」
「はぁ!?ちょっと待つさ!!ユウ、これで何回目さ!?」
「ラビ、そんなこと皆、忘れましたよ。この人がバカなのは生まれつきなんですから」
「そんなに刻まれてぇか・・・?」
あえて言えば、5回ですが
この回数は流石にやばいだろう。呼び出しをくらっても仕方がない回数だ
と、が今朝クロスと話した会話を思い出した
「ということは、これで6回目ですよね?」
「そうさね〜」
「そんなくだらないこと覚えてどうするんですか?」
「モヤシは黙ってろ。確かにそうだが、それがどうした?」
ユウ、もうすこし気にしましょうよ
そう心の中でツッコんでから、は重い口を開いた
「その・・・、今朝クロスが仰っていたのですが、7回テストが赤点だと退学処分になるって話を・・・」
「というと、次回で神田は7回目ですね」
二度目の沈黙
3人の頭の中で、の言った言葉が咀嚼される
全員の視線が神田に集まった
「「「「・・・・・」」」」
なんだか、風と一緒に落ち葉が飛ばされてきそうな雰囲気だ
その時、突如としてが立ちあがった
「ユウ!教科書持って下さい!」
「はぁ?何だよ急に」
「図書室で勉強しましょう!」
「「ダメです(さ)!!」」
神田の手を引っ張って立ち上がらせようとするを、ラビとアレンが食い止めた
「ちょっと待って下さい!図書室って言うと密室ですよ!?しかも二人っきりで!!」
「、早まっちゃいけないさ!男は皆、狼なんさ!!」
それを言うと、二人も入ると思うのですが
だが、そんな二人の願いも振り切り、図書室でによるスパルタ学習が行われたのだった
そのおかげか、次の中間テストでは神田は50位以内に入れたとか
<あとがき>
蒼美様からのリクエストで、ギャグで学パロでお送りしました!
実は、部活ネタにしようとして頓挫したという事情を抱えていますが、なんとかできました!
もう好きなように扱ってやってください!
リクエストありがとうございました!これからも*現実逃避*と管理人をよろしくお願いします!