むかしむかし、とある村の森はずれに貧しいきこりの一家が住んでいました

父親の名前をツナ、継母をクローム、二人の子供のうち兄がヘンゼル、妹がグレーテルといいました

ある日ついに食べ物が底をついてしまいました。戸棚には一粒の小麦さえありません

「ボス、雲雀恭弥を捨てない?」

「うん・・・・じゃなくて、えええええ!?」

空っぽの戸棚を見た継母はそりゃもういい笑顔で単刀直入に言ってのけました

しかも本名言っちゃいました。あの純粋そうな瞳の向こうに何を持っているのでしょうか

それを聞いた父親は内心はどうだか知りませんが、キャラ固定のためにとりあえず驚きました

その証拠として初めにあっさり返事をしています

さてさて、それを特殊スキルの気配を消すというきこり一家じゃありえない裏技を用いて聞いていたヘンゼル

大急ぎでグレーテルのもとに行き、今まで聞いていた話を聞かせました

「で、どーする?お前捨てられるみたいだ」

「うん、ちょっと待って。それ以前の問題になんで僕がグレーテルなの

僕は正真正銘の男だよ。しかも、1ヶ月くらい君より年上なのになんで妹なの。せめて弟にしない?

というかその服、またどこから持ってきたの」

「仕方ないだろ、お前が衣装を着ないから悪いんだ。ちなみにこれは、そこで会ったネズミのきぐるみを着たリボーンと白兎に貰った」

学ランを身にまとった、天変地異が起きても男にしか見えないグレーテルが言いました。これが姫役だったら意外と板についていたかもしれません

いいものを見たとでもいうような笑顔を浮かべたヘンゼルは、ぐいぐいとフリル5割増しのピンクのメイド服を押し付けます

またという言葉から分かるように、部屋には山積みになったワンピースがあります

どうやら初めはきこりの娘らしく質素なデザインだったようですが、あちこちにバニーガールの衣装やバレエ服が混じっています

「(絶対女子の方の赤ん坊の仕業だっ・・・・)」

グレーテルの頭に黒い笑顔を浮かべたウサ耳の赤ん坊が浮かびあがり、不良の頂点にいるグレーテルさえも身震いをしました

日頃からヘンゼルと一緒にいるグレーテルが憎くて仕方がないらしく、時々廊下にピアノ線が張ってあったりします

そんな白兎を可愛がってるヘンゼルは、下手をしたらスプラッタな殺人現場が繰り広げられたであろうその行為をやんわりと窘めるだけです

「ま、いいや。確かにお前に女装は似合いそうだが、そんなに嫌がるんならその恰好でいいや」

ポイッと服を放り投げたヘンゼルを見て、グレーテルはほっと溜息をつきました。どうやらプライドだけは捨てたくはないようです

鬼の風紀委員長がヘンゼルとグレーテルをやってる時点で、プライドも何もないと思いますが

「それにしてもなんで恭弥オンリー・・・・・・」

「あの女子の日頃の行動を見て分からない君が凄いよ。一緒に住んでるんでしょ」

「実際にもこの話でもな。恭弥がいなくなるのやだなー」

「!?それってどういう」

「ま、私がどうにかするからな!」

動揺したグレーテルをよそにベットに潜り込んだヘンゼルでした

 

 

 

 

そして、事実森に捨てられたグレーテル(このときヘンゼルはしっかりと継母に抱きかかえられていました)を助けに森へ向かい、ものの見事に連れ帰って見せました。しかも1時間足らずで

「発信機つけてたから楽勝だったよ」

ちょっと待って、それってどうなの華菜。人権侵害に等しいよ

すがすがしいほどの笑顔で答えたヘンゼルを見て、グレーテルは頭を抱えたのでした

 

 

 

 

数日後、両親がまたもやグレーテルを森に置いていく相談をしていました

ですが、ちょうど発信機の在庫を切らしているし、探知機を熊(ディーノ)に壊されています

ここにいたらいつまでたっても白兎とイチャつけないし、もういっそのこと街に出るかと、今後の展開をぶち壊さんばかりの計画を立てました

 

 

 

 

次の日、両親が二人を森に連れ出し(この時もヘンゼルは抱きかかえられて)、グレーテルを焚き火の傍に置いていきました

はっと気付くと継母の腕の中にヘンゼルがいません

「ボス!華菜がいなくなっちゃった!」

「ウソぉ!?ちゃんと抱きかかえてたのに!?えっと、華菜ちゃんのことだから家に先に帰ってるんじゃない!?」

ヘンゼルを探して走り去った二人を見送ると、グレーテルは木にもたれかかりました

華菜のことだから木の上から降りてきたりするんだろうけど

「よっ、恭弥!!」

「ねぇ、茂みに変装して隠れるとかベタにもほどがあるんだけど」

「そーゆう恭弥も気づかなかったよな」

両手に木の枝を持って近寄ってきたヘンゼルの言葉を聞いて、グレーテルは多大なショックを受けました

めずらしくバレバレな変装をしてるって、我が妹はどれだけ俺のツボを心得てるんだ!

パタパタと服についた葉や土をはたき、ヘンゼルは木の枝を放り投げました。なんかもうこのあたりからやる気がありません。脱力です

ああ、お願いだから脱力した可愛い目で俺を見ないでくれ華菜!!

 

ガスッ

 

「君、華菜以外には本当に容赦ないね」

当たり前ですよ。華菜様以外は皆ゴミくらいにしか思っていませんから。貴方も例外ではありませんよ雲雀恭弥

そのやりとりを見て苦笑したヘンゼルは、とりあえず焚き火の傍に座り込みました。それに続いてグレーテルも隣に座りました

「じゃ、恭弥、夜が明けたら移動し・・・恭弥?どうした?」

「なんでもないよ。っていうか今から移動しないの?君なら別に問題ないでしょ」

その言葉を聞いたヘンゼルはサッと顔を青ざめました

ヘンゼルは怖い話や幽霊が苦手でした。ですから、夜の森を歩くのはかなり勇気がいります

この前のグレーテル救出作戦もぶっちゃけグレーテルなら大丈夫だろうと、そのまま森に放置しようかと思っていたところです

その時、後ろの茂みから物音がしました

「うわぁぁあぁあ!!!???」

飛び上らんばかりに驚いたヘンゼルは思わずグレーテルに抱きつきました

「ちょ、当たってる!当たってるから!」

抱きつかれたグレーテルは顔を真っ赤にして焦ります。天下の風紀委員のグレーテルも、胸が当たっているという事実には目をつぶれないようです

当のヘンゼルは真っ青な顔のまま、離れる気はさらさらないようです

「華菜、もしかして・・・・・

 

暗い所苦手?」

 

「いや、暗いところというか幽霊とかそういう類が無理だ!本気で」

「あ、後ろに」

「おわぁぁあぁあ!!!!」

「・・・明かりが見えるって言おうとしたんだけど」

「ば、バカか!この流れだと幽霊的なものが見えたにつながるだろうがっ!」

何、この可愛い子!?

涙声+涙目のヘンゼルはグレーテルにツボったようです。とりあえず、グレーテルが兄弟という設定を超えないことを祈ります

 

 

 

 

ちょっとした物音にも驚くヘンゼルをなだめ、自分の理性と戦いながらグレーテルが明りの方へグレーテルを引っ張っていくと、なんとも鮮やかでウザったいフォルムの家が一軒現れました

「「・・・」」

「・・・・あ、恭弥。あっちに並盛って書いてあるぞ」

「ホントだね。行こうか」

「ちょっと待ちなさい!!」

見たものを脳内から抹消し、踵を返そうとした時のことでした

黒い魔法使いの服を着た、黄色い頭のナッポーが現れました

「そうそう、これ染めるの大変だったんですよ・・・って、違いますよ!黄色くありません!ナッポーでもありませんよ!骸!六道骸!」

ぎゃあぎゃあとわめくナッポー魔女を見て、二人はお前かよーとでも言いたげな表情です

「無視ですか。僕のことは無視ですか」

「だって白兎はナレーションだぜ?ナレーションは出演者と絡まないんだよ。いつかの銀○抜いて」

そうですよ。だから貴方は今大きな声で独り言を言ってる危ない人です

「さっそく絡んじゃってるじゃないですか!」

「うるさいね。あの赤ん坊に何言ったって聞かないよ。返り討ちだよ。それくらい君の少ない脳みそでも分かるでしょ?」

「あきらめ早いですね。何があったのか非常に気になります」

「私はお前の中でお菓子の家がどんな変換されたのか気になるよ」

そう。2人の目の前に現れたのはお菓子の家ではなく、パイナップル型の家。さすがに生を使うのはやめたようですが

子供の夢ぶち壊しです。○イワハウスだってこんな家作りませんよ

「夢なんてあってないものですよ。華菜と僕の結婚は夢ではなく現実になりますが

ヘンゼルの右ストレートが炸裂

あり得ないほどのスピードで吹っ飛んだ魔女、顔面スライディングっ

ツッコミさえ入れずに無言で殴った辺り、マジでいい加減にしろよお前、という意味もこもっているのでしょう

魔女の骸に、次白兎を否定したら殺すぞ、と吐き捨て、清々しいほどの笑顔です

っていうか、ツッコむとこそこだったんだね華菜

それを見たグレーテルはツッコみつつ、1ミクロンほど哀れみました

パンッ、と手を叩くとノックアウトされた魔女に少しの哀れみも向けずにグレーテルの方に向かいました

「よーし、恭弥行くぞ。死体の処理は狼がしてくれる」

「ちょっと待って。狼が出てくるところでこんなバカバカしいことしてる僕たちってなんなの」

「いいだろ別に。最終的に生ゴミの処分はできたんだから」

「そこは否定しないけども」

私も同感です

無駄な時間を割きましたが、さっさと終わらせるべくヘンゼルとグレーテルは先ほど見つけた道に戻ろうとしました

(白兎。魔女が二人を食べようとする件はどこ行ったの!?)(いいじゃないですか。結局は魔女を殺して終わりなんですから)(もう少しオブラートに包もうよ!!)(貴方はもう出番がないんだから引っこんでてください沢田様)(そうだよそれ!なんで俺と華菜ちゃんとの会話すらないんだよ!そもそもオレが10代目なんだから主人公の一人はオレだろ!?(貴方ボスになりたくないとか言ってませんでしたか?諸々の事情ですよ。文句ならリボーンに言ってください。配役あの人ですから)(リボォオォン!!!)(全くクロームは文句を言わないのに)(・・・華菜、可愛かった)

 

ガシッ

 

足首に急に違和感を感じたヘンゼルは、足もとを見て目を見開きました

「クフフフ・・・、逃がしませんよ」

「うっわぁぁあぁあ!ナッポー生き返った!!早い、早いよお前!!」

「クッフフ、華菜のためだったら地獄の底からでも這い上がってきますよ!」

「ひぃぃいぃい!」

「さあ、僕と一夜を共にしましょう!」

ヤバい、私、何か色々失う!

ヘンゼルが最早これまでか、と悲観した時でした

 

ガキィン

 

鋭い金属音が響いたかと思うと、グレーテルが決殺のトンファーを魔女に向かって放ったところでした

ところが子供のままではさすがに力の差があるのか、魔女に振り払われます

ここまで来たら、ナッポー家のドアにダイワ○ウスの札があることに誰もツッコミません

「くっ!」

「さすがにその姿では僕に歯が立たないようですね。心配しないで下さい。華菜のためにも痛くはしませんから」

「ちょ、恭弥。マジで頑張って。本気で泣きそうだよ」

さあ、そろそろ行きましょうか

そう言ってヘンゼルを抱え上げた魔女。ヘンゼルは藁にもすがる思いで、グレーテルに声援を送りますがグレーテルは解決策が思いつきません

が、背後で気配がするとすぐに駆け出しました

 

風切るナイフにクナイ

唸るバット

舞い飛ぶダイナマイト

輝く拳

鋭い三叉槍トライデント

全てを無に帰す憤怒の炎

猛る死ぬ気の炎

地をも削る剣

墜ちる雷

 

「死っねぇぇえぇえ!骸ぉぉおぉお!」

「え、ちょ、ま、えぇぇえぇえ!!??」

 

ドッカーン

 

「・・・殺す気満々だなオイ」

「君もさっき殺す気だったでしょ」

グレーテルの救出が少しでも遅れたら、ヘンゼルも藻屑となっていたかもしれません。そんなの許しませんが

黒コゲになった魔女を総出で踏みつけている中で、こちらに向かってくる人物が

「げっ!レヴィ!?」

「華菜!幼児化とはお前はそういうプレイが好きだったのか!」

「違うよバカか!」

「かっ消えろ」

 

ズドォン

 

憤怒の炎乱発

踏みつけにされる人物が二人に増えました

「風紀の仕事あるからさっさと帰るよ」

「今回ばっかりは文句は言わないよ・・・」

こうして二人は幸せに暮らしましたとさ

 

 

 

 

フィア式ヘンゼルとグレーテル

(○魂並にセリフ多いね)(華菜、それは言っちゃいけないよ)(っていうか僕いなくても良くないですか?)((((数合わせだよ))))(・・・・泣いていいですか?)

 

 

 

 

出演者

ナレーション:白銀黒武改め白兎

ヘンゼル:白銀華菜 グレーテル:雲雀恭弥 魔女:六道骸 父親:沢田綱吉 継母:クローム髑髏 熊:ディーノ 子供A:山本武 子供B:獄寺隼人

 

協力

台本:ノッテファミリー

監督:XANXUS

撮影:チェルベッロ

照明:柿本千種・城島犬  メイク:ルッスーリア 衣装:ベルフェゴール 大道具:ジャンニーイチ・ジャンニー二 物件提供:○イワハウス 場所提供:ボンゴレファミリー(ヴァリアー)

 

 

 

 

<言い訳>

協力にありえない人たちが入ってたりしますが、気にしないで下さい。そしてやたらとダイワ○ウスネタ引っ張ってますが、気にしないで下さい

そしてやたらと骸の扱いが低いですが、気にしないで下さい(無理

 Marchen様に提出しました