やっぱ、降りたいです
標的12 棒倒しという名の戦争
暴走した兄上を沈めて、なんとかお昼は終了
雲雀は、やはり群れるのが嫌だったらしく、応接室へ帰って行った
「すごいお兄さんだね・・・」
「外だからアレですんだが、本部だと最悪だ」
「アレ以上って何!?」
ふっ、言葉で表せって言われても無理な相談だな。言うなれば竜巻が三個くらい一緒に上陸した感じだな(ぇ)
兄上も白兎と椿に撲滅説教くらっておとなしくなったし、もうこれ以上面倒は起こらないだろう
そう思ったのは、甘かった
『おまたせしました。棒倒しの審議の結果が出ました』
「ああ。そういえば、笹川先輩が代表で行ってたな」
「オレ、凄いイヤな予感がするんだけど」
「大丈夫だろ。ツナがそんなことできないってことくらい、一週間もしない内に分かったからな!」
「なんかオレ、けなされてる?」
「事実を述べたまでだ」
いや、そうなんだけど、と呟いているツナを見ながら放送に耳を傾ける
すると、スピーカーから爆弾発言が
『各代表の話し合いにより、今年の棒倒しは
A組対B・C組合同チームとします!』
「「はぁ!?」」
ちょ、ツナピンチじゃん!!そんなにイキイキ言うな、司会のヤロー!!
「オレ生きて帰れるの〜!!?」
「沢田様じゃ、無理でしょうね」
「白兎、はっきり言いすぎ」
兄上の影響が残っているのか、まだかなりブラックな白兎を必死になだめていると、了平がやってきた
簡単には引くとは思えないその性格からして、多数決で押し切られたのだろうか
だが、私はコイツが熱血なうえとんでもない馬鹿だということを忘れていた
「オレが提案して押し通してやったわ!!」
「アホー!!」
バキィ
「グフッ!!」
「君!?」
あまりの馬鹿さ加減に、パンチを繰り出す。了平は綺麗な弧を描いて吹っ飛んだ!!
「さすがは!!お前はボクシング部に入るべきだ!!」
「入るか!!2対1とか言って、明らかに勝ち目ないだろ!?」
この人、絶対死ぬ気モードのツナのときのことしか考えてないだろ!普通だと確実に殺られる!
「それに」
恐怖で顔がこれでもかというほど、真っ青なツナに顔を向ける
「ツナ、お前風邪引いてるだろ?」
「え!なんで知ってるの!?」
はツナの前髪をかき上げ、額をくっつけた
「ほら、やっぱりな。本部でよく医療班の手伝いをしてたから、だいたい分かるんだ。」
額をくっつけたせいで、真っ青だったツナの顔は一気に真っ赤になった
熱上がった!?(ある意味)
もともと運動能力に恵まれていないツナがそのまま出ても痛い目を見るのに、風邪で体力が低下しているときに出たらすぐに落とされるだろう
パオパオ老師の格好をして、二ヤリと笑うリボーンを見る
・・・可愛いなぁ。じゃなくて!リボーンが嘘をついたせいで、B・C組の恨みを買っているから、落ちたらただではすまないだろう
これしか方法はない、か
さっき殴ったせいで、微かに顔が赤くなっている了平の方を向く
「私が大将をやってもいいか?」
「え!?」
「む。も大将にはふさわしいが、出たら応援団長がいなくなってしまうではないか!」
それを聞いてツナは内心ほっとする。ちゃんは強いけど、女の子だし、顔に傷でもついちゃったらオレが嫌だし!
あ〜、けどオレも出たくないな〜
断られてもは引き下がらずに、少し違う方法を試した
「本当は、戦えない応援団長よりも、総大将をやりたかったんだ!!」
「うむ!の熱い魂はしかと受け取ったぞ!!が総大将だ!!」
「んな〜!?」
うわ、キャラじゃねぇな。もうこれから一生、熱血キャラはやらないようにしよう
了平が去った後、いつの間にか意識を取り戻したクロムと白兎、それにツナに迫られた
「様!?何やっているんですか!!何故、あんなむさくるしい野郎どものところに、様が行かなくてはいけないんですか!?」
「は俺のところで、執事として働いてくれ!!」
「ちゃんは、女の子でしょ!?ダメだよ絶対に!!」
「一部怪しい発言はあったが、取り敢えずスルーな。けど、ツナがケガするのが嫌だから」
「沢田様なんか、ほっとけばいいでしょう。」(ボソッ
白兎の黒い発言もスルーね
三人を説得していたら、結局着替える時間がなくなってしまったので、そのまま出ることになってしまった
これが、あとで後悔を呼ぶとは
「うん。人数が多いのも驚いたけど、なんであの人がいるかなぁ」
B・C組合同チームの総大将は、なんと風鬼委員の雲雀恭弥
こっち見て、めちゃくちゃ嬉しそうに笑ってるよ
同じ黒い服を着てても、どす黒く見えるのは気のせいではないだろう
「おい、!なんでお前が総大将やってんだよ!?」
「ツナじゃなかったっけか?」
山本が目の前の人を踏み倒し、獄寺がかき分けながら棒の下によってきた
山本、人数減るからヤメロ
「ツナの代わりだ。ツナが痛い目を見るのは、目に見えてるだろ?」
「はぁ!?何言ってやがる!十代目が、負けるわけねーだろ!!」
「ははっ!確かにそうだな!」
何気にひどい山本の発言に苦笑し、雲雀を見る
学ランなんだから、トンファーに注意ってとこか
「俺がやってやろうか?」
「は?」
獄寺の思わぬ言葉に、驚く
獄寺の顔は、微かに赤い
「べ、別にお前のためじゃねーよ!!お前がケガすると、十代目が悲しむからなっ!!」
獄寺、以外に優しかったんだな!(酷)
顔を真っ赤にして、弁解する獄寺を見てにっと笑う
「ありがとな、隼人」
初めて名前を呼んでくれたことに、獄寺は唖然とした
(いや、そもそもこんなとこでのろけたら、ホモって思われるぞ、少年。by.ルーチェ)
周りのA組の人は、以外に優しい獄寺を見て、驚いただけだったらしい
「チッ、いいとこ持っていきやがって」(ボソッ
ついでに、黒いオーラを放つ山本にただ無言で耐えるしかなかった
『開始!!!』
ワォ、圧倒的
さすがにB・C組チームとA組の単独では、さすがに人数的に無理があったらしく、ボクシング部の主将や元フリーの殺し屋でも敵わないらしい
まぁ、ダイナマイト使ったら銃刀法違反だしな
時々、殴りかかってくる手を適当に叩き落としたり、さっきの苛立ちを込めて蹴り殺し蹴ってみたりとしてみたが、なんかあきた
遠くで声援送ってる兄上様がウザいし。顔と言ってることのギャップが激しすぎて、周りにミステリーサークルができてます
そもそも私に向いてない
やる気が0%に限りなく近づいた時、愛する白兎の声が!
「様ー!頑張ってください!!」
よっしゃぁ!!白兎の為とあらば、プライドも何もかも捨ててやるぜ!!(駄目だろ)
女子の声に、半ばかき消されてるのが、残念でなりません
「白兎ぉ!!私は頑張るよ、ってぇ!?」
白兎からの愛のエールを受け取り、それを返そうと叫びだした途端、いつものように結んでいた髪の毛を引っ張られた
そのまま、後ろにのけぞる
ハゲる!!ハゲたら白兎に嫌われる!!
人生最大の死活問題に直面した(ぇ)は、片手で自分の乗っている棒を掴み、もう片方の手で髪を掴む男子生徒の襟首を掴もうとする
態勢を多少安定させたが、支えている手を他の男子生徒に掴まれ、爪が食い込んだ
「!大丈夫か!?」
「油断してんじゃねー!!」
「武、隼人!!すまない!!」
引きずり落としたのは山本と獄寺。山本は心配そうな顔をしているものの、彼の足もとは見ない方がいい
獄寺、加勢しちゃ駄目
哀れな男子生徒A
彼を救出するために、早く終わらせなければ
「武、隼人!さっさと終わらせるから、恭弥のところに行ってくれ!!」
そう二人に言い残すと、靴を脱ぎ、下に群がる野郎どもに投げつけ、棒の上から飛び降りた。燕尾服の尻尾がはためく
あえてB・C組の生徒の頭に着地し、そのままの勢いで駆け出す
途中、バランスの悪いそうなところなどを避けて走り、山本か獄寺が雲雀の近くに行くまで時間を稼ぐため、遠回りになる
うわぁ、ラスボス出現
これ以上ないほどの笑みを浮かべているので、Uターンして帰りたくなる
おまけに、雲雀の下には血まみれの死体が(違)
本気で帰ろうかな・・・
そう思ったが、目の端に目立つ髪色の男を見つけたので、そちらに足を向ける
「隼人、肩借りるぞ!」
「ああ!!」
獄寺の肩を足場にして、雲雀のいるところまで飛びあがる
その間に、ズボンに隠していたタガーをカバーをつけたまま引き抜く
両手には持たず、片手だけ
「待ってたよ。」
「待っててくれって頼んだ覚えはないなっ!」
言い終わった途端に、自分の武器を雲雀に叩きつける。だが、雲雀はもちろんトンファーで防ぐ。これくらい防げなければ見込み違い、といったところだ
その勢いのまま、雲雀の脇腹に蹴りを入れる。雲雀は、逆の手に持ったトンファーで防ぐ
両手を塞いだ
うまくいったことに笑みを浮かべると、空いている方の手で雲雀の腕を掴んだ
雲雀は計略に引っ掛かってしまったことに、素早く気づき、足が退けられたほうのトンファーをしまう
はそのまま、雲雀を下に引きずり落とし、雲雀の居た棒の上に足をかけた
勝った、と思った
しかし、人は落ちそうになると近くのものを本能的に掴んでしまう
雲雀は、のネクタイを掴んだ
「っ!?」
しまってる!!本気でしまってる!!
時間がなくてもいいから、着替えておくべきだった!!
首に食い込みつつあるネクタイに手をかけ、なんとか緩めようとする。ちょ、これ首落ちるだろ!?
「く、苦し・・・」
「!?」
の首がしまっていることに気づいた雲雀が慌てて手を離す
一瞬、絞め返したいと思ったのは、気のせいじゃないと思う
いや、それより着地に失敗するよなこれ。頭から落下とか嫌だ
首をさすっているを見て何を思ったのか、雲雀がを引き寄せた
「はぁ!?何やってんだ、恭弥!!」
「ちゃんと降りられないでしょ」
そう言うと同時に、綺に降りたを抱きかかえた雲雀。得点をつけるなら、100点で文句なし
「恭弥、ありがとな。もう大丈夫だから下ろしてくれ」
「ダメ」
「えー、ダメということはどういうことで?ってどこ行こうとしてんだお前!!」
なおものことを抱えたまま、校舎に足を向け歩いていく雲雀は、数歩歩いた後、立ち止まって一言言った
「彼にケガさせたヤツ、後で覚悟しておいてね」
そういや、手首に爪が食い込んだっけ。別に気にしてないのに
そんなことどうでもいいけど、武と隼人とツナの視線が痛いのは私だけか?
畜生、ネクタイのヤロー。久々につけてやったのに、恩を仇で返すとは
ネクタイに、理不尽としか言いようのない文句をつけながら、雲雀によって応接室に強制連行
激しく保健室を希望したいところだが、あそこには変態闇医者がいるんだっけか
応接室についてから、やっと雲雀の腕から解放されソファに座らせられた
戸棚をあさっていた雲雀が出したのは、救急箱
すげぇ、ここまで救急箱が似合わない人初めて見た。どっちかって言うと、薬と偽って毒飲ませそうだ
「ほら、手出して」
「これくらいどうってことない。ほっといてもすぐ治る」
「いいから」
ぐいっと腕を引っ張られ、袖を捲くられる。あーあ、シャツに血がついちゃってるよ
すると、何も言わずに消毒液を付けてきやがった。
「痛い、痛い、痛い!!何か言ってからつけろよ!!傷が小さくても、めちゃくちゃ滲みるんだよ!!」
「なんで」
「そんなの知るか!勝手に滲みるんだよ!!」
雲雀の言っていることと、私の意見はどうやら考えていることが違ったらしく、雲雀が眉をひそめたので、口をつぐんだ
「なんで、総大将やったの?」
「それは、ツナがやったら確実にケガするだろ?私の方が、体力あるし、力が強いからいいかなぁ、と」
「草食動物なんてほっておけばいいでしょ」
「ひでぇな、オイ」
お前はツナを何だと思ってんだ。あ、草食動物か
自分で勝手に自己完結し、納得する
一人で頷いていると、雲雀が何を思ったか、ぎりぎりと包帯を締めてきやがった
「いってぇな!!私に何したいわけ!?鬱血するわ!!」
「一応、女の子なんだから、気をつけなよ」
首絞めた本人が何を言う
それに、一応って何だ。強調しやがったぞ
現在進行形で、包帯を締めつけてきた雲雀を睨む
だが全く、意に介さなかったようで、包帯を緩くし直すと、救急箱を閉めた
「ほら、終わったよ」
「・・・以外と器用なんだな」
「包帯くらいで、なんで器用なの」
手首を曲げたりしてみたものの、全く引っかからない
さすがに外の騒音と叫び声を無視できなくなったので、立ち上がる
「恭弥、
ありがとな!」
そう言うと、笑顔を向けてから応接室から飛び出した
不意打ちに雲雀は、その場に硬直した。
<あとがき>
私はやったぜ、ママン・・・!!
ようやく、体育祭終わったよ!次は、ディーノを出すか!
ということで、次はディーノが初出演!ヒロインはディーノの旧友でした!!
早くXANXUSとかスクアーロを出したい・・・
NGシーン
「く、苦し・・・」
「華「てめぇぇええぇえ!!」
ズドッスゥ!!
「っ!?」
「に何やってくれてんだよ!?に手ぇ出していいのは、俺だけなんだよ!!」
「誰が許すか」
ズドン!!
「「・・・。」」
「何言ってるんですか?様に手を出す輩は、存在抹消しますよ
傷つける輩もね」
二人の視線の先には、クレーター&白兎の持つクナイ
「「ゴメンナサイ」」