大丈夫か、ボンゴレの未来

 

 

 

 

 

 

標的13 ヘタレが二人いるとロクなことがない

 

 

 

 

 

 

久しぶりに静かにアフタヌーン・ティーを楽しんでいたときのことだった

「白兎のケーキは相変わらず美味しいな」

「お褒め頂き光栄です」

なんて白兎はかしこまっているが、彼女の定位置はの膝、肩、頭の上である

しかも今現在は、の膝の上に座りながら、一緒に紅茶を飲んでいる

周りから見れば、なんともほのぼのした光景である

そんな中、軽快なチャイムが鳴り響いた

「・・・チッ」

「白兎、もうお前が分からないんですけど」

まぁ、内心私も舌打ちしたかったが(ォィ)

盛大にため息をつきながらも、ケーキの最後の一欠片を口に放り込み、玄関に向かった

白兎が行くと言ったのだが、半分刀を抜きかけていたので丁重にお断りした

「はいは〜い、どちら様・・・って、武!?めずらしいな、どうかしたのか?」

武に家の住所を言わなかったよな?けど、それを聞いたら何かが終わる

「実はな、ツナがケガしたらしいんだよ」

「うぉえ!?なんで、どーして!いや、それよりも見舞いに行かないと!」

「だから、一緒に行かね?」

「Chiaramente!じゃなくて、もちろん!ちょっと待っててくれ!」

 

 

 

「ところで、武。それってツナへの見舞いだよな?」

武ってツナにすごい恩義でもあるのか?

山本が抱えているものは、明らかに高そうな舟盛。大丈夫か、山本家の家計

「ん、これか?実は俺ん家、寿司屋なんだよ」

「すごいな。ってことは、武は跡取りになるのか?」

「それもいいかもな!」

山本の夢はプロ野球選手になることだが、と寿司屋を切り盛りしているところを想像して、笑みがこぼれた

「今度、武の家に行ってもいいか?」

「いいぜ。親父も会いたがってたし、紹介してーしな!」

恐らくの思う意味と、山本の言う意味は違うだろう

もう少しでが山本の陰謀にはまりそうになったとき、ちょうどツナの部屋についた

どうやら個室のようで、ツナ一人の名前しか書かれていない

「骨折程度で個室って・・・」

「さっき跳ね馬がいましたから、何かあったんでしょう」

「そうだよなー、アイツがいると何かしら変なことが・・・、って、白兎!?なんでここに!?」

「仮にも次期ボンゴレボスなんですから、お見舞いに行くのは当然ではないですか?」

あっ、そうか。私の補佐=ツナの部下になるわけだから、来なかったら失礼にあたるな

白兎と武が睨みあっているのを無視して、ドアを開けた

「ツナ、見舞いに来たぞ!」

ちゃん!!」

「よっ、ツナ!」

「山本ォ!!」

「御見舞いに参りました」

「白兎も!?」

最後の白兎だけ疑問形なのは何故だ

山本が見舞いの品を出すと、ツナは驚いた顔をした。さすがに見舞いの品に舟盛りを持ってくる奴は少ないだろうし

ついでに私も差し出す

「はいツナ。千〇屋のフルーツ。」

「ありがとう・・・、ええっ!〇疋屋ってすごい高いよね!?」

「そうか?」

「そうだよ!!」

恐るべし、財政力ナンバーワンのファミリーの後継ぎ。実はその収入源は、ルナと、クロムに対しての貢物だったりする

そんなことを話していると、ドアの滑る音が聞こえた

「若きボンゴレ、おケガですか?お気の毒に」

振り向くと、牛柄のシャツを着た男が立っていた

「大人ランボ!!」

「へぇ〜、ランボか。その年齢ってことは、十年バズーカを使ったのか?」

ちゃん、大人ランボに会ったことあるの?」

「いいや、全然。」

「お若きさん!ああ、やはりお若い頃も美しい!」

大人ランボはそう言うと、の手を握った

わー、十年もあれば人は変わるんだな〜

なんて呑気に考えていたが、後ろから尋常じゃないほどの殺気が

「テメェみたいなガキが、様に触れないで下さいますか?」(スマイル5割増)

「ランボ、後で顔貸せ。」(スマイル有料)

こ、怖ぇえぇ!!最近白兎が黒い方が素に見えて仕方がないんですけど!

二人の魔王のご降臨に怯えきった私は山本に助けを求めようとし、声をかけようとしたが、

「ツナ、別にいいじゃねぇか!」(爽やか笑顔)

大人ランボの頭を鷲掴みにしている山本がいた

幻覚だと信じたいよ、隊長(誰)

もう部屋の中が氷点下に達したかと思ったとき、廊下で誰かが派手に転ぶ音がした

「大丈夫スか十代目〜!!」

「君が大丈夫かー!!?」

「誰か警察呼べ!殺人事件が発生した!」

、落ち着けって!」

ドアのところには血まみれの獄寺が

すかさず獄寺に駆け寄り、聞く

「どうした獄寺、闇打ちか!?」

「俺がンなヘマするかよ・・・、慌ててきたから何度か車にひかれたんだよ・・・」

どれだけ慌ててたんだ

「あ・・・これ・・・みまい・・・っス」

差し出したのは真っ赤な薔薇。

聞くところによると、実は白薔薇だったらしい。ってことは、血か・・・

3人がかりで獄寺に医者に診てもらうように勧めていると、何かが軋む音が聞こえた

そして、外れるドアと大量の看護師

獄寺は今は見れたもんじゃないから、山本とツナ目当てか(+

その後、部屋を出たあと白兎が問答無用で獄寺を気絶させ、連行した

 

 

 

家に帰ってもやることがなかったので、は病院を見て回ることにした

その際、視線が痛かったのは気のせいではないだろう

「やっぱ、ノッテの医療機関が一番だな」

どうして知っているのかというと、母上にしょっちゅう殴れ、お世話になっているからである

適当にぶらぶらしていると、ある部屋からツナの悲鳴が聞こえてきた

「あれ?ツナの部屋って正反対だったよな?」

そう思いその部屋をのぞいてみると

今まさに咬み殺されんとしているツナの姿が

「うわ!?ツナ、お前恭弥に暗殺計画でも企てたのか!?」

「そんなわけないでしょ!?」

すかさず雲雀とツナの間に割って入る

雲雀の格好は黒いパジャマ。その恰好からして入院しているらしい

「おま、ほんと黒が好きだな」

「まあ、嫌いじゃないね」

そう言うと雲雀は、トンファーを引っこめツナを睨みつけた

「君、あと3秒以内に出ていかないと咬み殺すから」

「はぁ!それかなり理不尽、ってツナ!?」

ツナ逃走。部下を見捨てるのか!

ツナがいなくなったのを確認すると、雲雀が聞いてきた

「なんで、来なかったの?」

「へ?」

「風紀委員の仕事さぼったでしょ」

「ああ、あー!」

ディーノが来たときのことか

草壁に頼んだが、やっぱり自分でやらないとまずかったのか?

「理由は?」

ジャキッ

「横暴だ!あ、すいません。ちゃんと理由言います!」

トンファーが肌に食い込んだのを感じて、土下座でもするのかという勢いで謝る

「え〜っと、実はですね。ツナに宿題を教えてほしいとのお願いがありまして」

「ほっとけばいいじゃないか」

「友達の願いを無下にはできない」

「僕は?」

「え」

「僕だって、頼んだでしょ?」

いや、どちらかって言うと不可抗力ですよ

一瞬そう思ったが、引き受けたものをサボった私も悪い

「すまなかった」

ツナを庇った時、膝立ちになっていたのをそのままだったので、自然と上目遣いになる

その姿は、かなり可愛かった

雲雀が顔をそむける

するとは雲雀の顔を両手で挟み、自分の方に向けた

「本当にごめんな」

雲雀の目を真剣に見つめて、謝る

あまりの可愛さに顔が赤くなったのに気づいて顔をそむけた雲雀は、さらに顔が赤くなる

「うわ、恭弥!大丈夫か!?風邪引いてるのか!?」

実際はほとんど治っていて、明日にも退院する予定なのだが、雲雀はあえて言った

「君が騒ぐからだよ。代わりに看病して」

そう言われたは、不満そうな顔をしたが、答えは決まっていた

「はいはい、分かりましたよ」

このとき雲雀は、ニヤッと笑ったらしい

 

 

 

<あとがき>

言い忘れていましたが、ノッテファミリーのノッテはイタリア語で夜空という意味です。ルナは月って意味です。

アンケートが結構接戦になってますが、このまま行くとヒロインは一匹狼に!読んでくれた皆様に愛されてるんですね!

次回はお正月の話です!オリキャラ多数出演予定です!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山本&白兎の電波な会話

「(なんでお前がいるんだよ)」

「(様の補佐なんですから当然ですよ。そもそも、貴方も一人で行けばよかったではないですか?)」

「(が後から知ったらショック受けるだろ?それにお前はツナを敵対視してんのに、来る必要ねーだろ)」

「(何言ってるんですか。こういう時こそチャンスです。隙があれば抹殺調教できるでしょうに)」

・・・

ガシッ

ここにあらたなコンビが誕生しました