コンコンコン

 

「スピー」

 

ガンガンガン

 

「?」

「スー」

 

ガンガンガンガン

バリーン!!

 

「!!」

「ん・・・?」

 

 

 

 

 

 

標的02 説明は全てにおいて重要だと思う

 

 

 

 

 

 

何かが割れるような音が聞こえて目が覚めた

ベットの上には白兎がいない

原因を見に行ったのだろうとまた布団にもぐりこんだが、そこで前にもこんなことがあったのを思い出した

ガラスの割れる音がしたってことは、その前に叩く音があったはずだよな?

ガラスの叩く音+割れる音+白兎の失踪

 

 

綾鷹の命が灯だ!!

 

布団を投げ飛ばして、リビングの大窓まで行くとその前では、

血の惨劇が繰り広げられようとしていました

様、目が覚めてしまいましたか?申し訳ありません。この馬鹿鳥のせいで」

「ストップ!!白兎!その手を放せ!!綾鷹死んじゃうから!!」

「大丈夫ですよ。代わりなんてたくさんいるんですから」

「やめて!そんな恐ろしいこと言わないで!!」

「今日の夕食は焼き鳥ですね」

「それはソイツを餌食にしようとしてるのか!?私に食えと!?

そういやお前、動物好きじゃなかったか!?」

「それはあの短編だけの設定です」

「設定とか言わないで!」

無残にも割れた大窓の前で起きていたことは、食物連鎖が崩壊しかねない出来事だった

可愛い兎が凶暴な狗鷲を絞殺せんとしてる!!

この狗鷲はノッテの一つの伝達機関で伝書鳩ならぬ伝書鷲なのだが、そんなこと言ってる場合じゃない

普通にうちの伝書鷲でも白兎のしていることは止めるが、もっと重要な事実があるのだ

実はこの鷲、母上のお気に入りなのである

「白兎、ホントにやめて!お願いだから!!綾鷹の命が消えると同時に、私の命も消えちゃうから!!」

「・・・分かりました。いつか息の根止めてやるからな」(ボソッ

あなたの黒さで綾鷹の息の根が今止まります。今じゃなくてもやめてください

ガタガタ震えている2メートル強の鷲から分厚い封筒を取り外し、封蝋を見る

ボンゴレのものと似ているが、中央には弾丸ではなく月と月下美人が描かれている

どうやら脱獄囚のデータのようだ

そういや、この前集団脱獄したって聞いたな

脱獄者は、城島犬、柿本千種、ランチア、M・M、バーズ、ヂヂ、ジジ、ランチア

そして、六道骸

白兎が肩から書類を覗き込んだ

「また抜け出したんですか。懲りない方ですね」

「いくら殺人犯とはいえ、死ぬのは誰だって嫌だろうしな(六道骸って最近、聞かなかったか?)」

そんな考えがふと浮かんだが、嫌な予感がしたのでそれ以上追及するのを止め、写真に目を落とした

写真があるべき場所には、ランチアの写真が貼ってあり、その上には横切るように「NO PHOTO」と書いてある

「・・・確実にサボりましたね」

「絶対サボりだ。母上、いつでも写真取らせる機会あったはずなのに・・・」

プロフィールは事細かく書いてあるのに、写真だけないなんてどういうことだろうね

捕まった毎の身長、体重諸々書いてあるのに

脱獄囚についての書類をすべて抜き出すと、任務内容の書いてある紙を探してみるが、全く見当たらない

いいんだよ。こんなこと何度もあったから

「送りつけられてきたってことは、こいつらをメッタ殺しにしろってことでしょうか?」

「殺さなくていいと思うよ?捕まえろってことだろうな。けど、脱獄したところは日本じゃなくてはるか遠くだよな?わざわざ飛べって話か?葵とかイェンとかエアとか適任者はいろいろいるのに」

そこで白兎がはっとしたように顔をあげた

「もしや、沢田様についてのことでは?」

「!!ツナが次期後継者とは知らなくても、後継者が日本にいることくらいは知ることはできるよな!?」

書類を乱暴にカバンに押し込むと、部屋に戻って着替える

カバンと学ランを持つと、玄関にあった鍵を取った

「白兎、帰り遅くなっても心配するな!2、3日しても戻らなかったらノッテに連絡してくれ!」

「分かりました!お気をつけて!」

 

 

 

「いってきまーす」

いつものように言ってから、いつものように登校するはずだったツナは塀の影から見えるものを見てぎょっとした

黒い大型バイクがとまっている

「(まさか雲雀さんー!?)」

朝からいったい何の用が!?

そこから動くのさえ躊躇していると、続いて見慣れた顔がのぞいた

「よっ!ツナ、おはよう!」

ちゃん!?なんでいるの!?」

「ツナが恋しくなったから?」

「なっ!!」

「じょーだんだって」

の言葉を聞いてツナは顔を赤くした

それに対しては、ニヤッと笑い冗談だと言う。まあ、ツナとしては冗談じゃないほうが良かっただろうが

そこでバイクの上にリボーンがいるのに気づいた

「ツナのところによって雲雀に怒られねーのか?」

「その時は、リボーンが止めてくれるだろ?」

「メシ作ってくれるならいーぞ」

「マジか!頼もしいな!そして、可愛い!」

がリボーンを抱きしめる姿を見て、ツナは現実逃避したくなったとかなんとか

「ところで。何ピリピリしてんだ?」

「あ、確かになんか変だよね」

機能回復したツナを同意すると、は驚いたように顔を上げた

私がピリピリしてる?そんなバカな

そこで今朝のことを思い出し、分厚い封筒を取り出した

「ピリピリはしてないと思うが、気になってることはあるな。2週間前、六道骸が脱獄した」

「ムクロ?」

「またか」

「骸を筆頭に集団脱獄。監獄の看守と他の囚人を皆殺し。で、おまけにジャッポーネにきてるらしい」

「んなー!?」

の口調はまるで今日の天気についてでも話しているようだったが、皆殺しという言葉でツナにも何かヤバいことが起きているということが分かった

「というわけで、ツナの迎えに来たと」

「いや、それと関係ないよね?なんでオレと脱獄囚が関係あるの?」

「だって、ツナ狙いの線が高いし」

それを聞いてツナは訳が分からないというような顔になった。いやー、面白いね。裏の世界じゃこんなに百面相やるやついなかったもんな!!

「だって、ツナは次期後継者だろ?ボンゴレの」

「オレはなる気はないって言ってるのに!」

「お前狙いって可能性はないのか?」

バイクに座ったリボーンがを見上げる

うわぁ、写真取りてぇ

「母上が酒に酔って言いふらしてなきゃその線はないな。ま、そんなこと獄寺と女子が仲良くするくらいありえないけど」

確かにそれはありえない

どんだけ酒に強いんだという疑問は、後々回答しよう

「じゃ、ツナ、後ろ乗れ」

「ええ!?いや、いいよ!!」

がついてれば命の保証は確実だぞ。ま、の後ろに乗れば、お前の命はないも同然だがな」

「アハハッ!リボーン、冗談きついよ?」

「(絶対本気だ!!)」

「ほら、早く乗れ」

うろたえるツナを急かすが、流石に時間がなかったので無理やり乗せエンジンをかけた

困ったツナはかなり恐る恐る腰に手を回す

「なんでそんなとこに掴まるんだ?」

「え!普通こうじゃないの!?ちゃんって細いなぁ」

お前は変態か

「普通そうなのか!どうりでこの前、恭弥が不思議そうにしてると思ったら!」

ちゃん、雲雀さんと乗ったの!?」

「ん、送ってもらった」

固まったツナとを乗せて、バイクは走り出した

 

 

 

母上から届いた書類。実はほかにも一枚メモが入っていた

たった一行の文

 

『表との関わりは深めるな』

 

「(そんなこと分かってますよ)」

乱暴に丸められた白い紙は、ゴミ箱へと消えていった

 

 

 

<あとがき>

黒曜編第2話終了〜。次もほぼオリジナルの予定です。脱線し始めてますねぇ・・・(遠い目

初めのところは書いてて楽しかったです。兎が大鷲を襲ってるところが

ヒロインのアンケートは未来編まで続ける予定です。じゃんじゃん投票してやってください

うちの娘の将来がかかってるんで(本気

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

「ところで、なんで学ラン落ちないの?」

「ああ、これ?気合いと愛で」

「(愛ー!?)」

急いで出てきたんで、雲雀さんルックになってます