随分いいとこを見つけたと言ったが、前言撤回

廃墟だよ

 

 

 

 

 

 

標的06 遠足気分で突入

 

 

 

 

 

 

ちゃん、とりあえずツッコませて」

「何?」

「なんでちゃんが運転してんの!?」

黒曜への移動手段→車(スポーツカー)

運転手→

ツッコみたくなるのも分かる

新国道を猛スピードで疾走中の車には、山本、獄寺、ツナ、ビアンキ、リボーン、白兎、という運転許可の出る年齢に達していないメンバーばかりが乗っていた。まあ、ビアンキは微妙だが

そして運転手は子供

「おい、ちゃんと運転できんだろうな?」

「平気平気。カーチェイスとかならお手の物だから」

「へー、すげェのな!今度見せろよ!」

「いいが、ジャッポーネって結構交通違反とか厳しそうだな・・・」

なんで獄寺君と山本はツッコまないの!?

あたかもが運転するのが当たり前だというように話す二人に頭を抱えるツナ

確かにすごいけどさ!かっこいいけどね!?

その時、遠くでサイレンの音が聞こえた

「え、ちょ、ちゃん!?パトカーが!!」

「分かってるって。すぐ撒いてやるから」

この後ツナの叫び声が響いたのは言うまでもない

 

 

 

「や、やっとついた・・・」

満身創痍でクマとかできてそうなツナ

半泣きながらも音速のスポーツカーに乗ってたツナを誰か褒めてあげてください

あのあとパトカーに追われた達一行は、はじめとは比べ物にもならないスピードを出して走ったかと思うと、骸アジトへのヘアピンカーブをカーチェイスばりに曲がった。背後でなにやらぶつかる音が聞こえたが、それは聞こえなかった方向で(ぇ

あんだけ騒ぎながら来たにもかかわらず、黒曜ヘルシーランドは不気味に静まり返っていた

怖いよ、帰りたいよ、幽霊とか出たらどーすんの!?

かなり青ざめた顔で建物を見ていただが、ふと頭に温もりを感じて我に帰った

爽やか笑顔の山本が

「ダイジョブだって!何かあってもオレが守ってやるよ!」

た、武っ!(感涙

鼻水とかたらさんばかりの勢いで(汚)感動していただったが、そこに白兎が割り込む

「何言ってんですか。貴方みたいなガキ様を守れるとでも思ってるんですか?引っこめよ」

「そういうお前がガキじゃねーのか?」

なんか武も白兎の黒さに感化されてるように思えてならないんだけど!

いや、とりあえず私もツッコみたい

「武、なんで弁当とお茶持ってんだ?」

「ん?これか?学校対抗マフィアごっこなんだろ?そんなら昼飯も必要かなぁと」

違う、断じて違うぞ。遠足に来たんじゃないんだから

それにしてもこんな言い訳を彼に吹き込んだのは誰だろうと思っていると、リボーンと目があった

二ヤリと笑うリボーン

こんなお茶目な言い訳を考えついたこの子が可愛くて仕方がありません(オイ

「カギは錆びきってる・・・、ヤツラはここから出入りしてませんね、どーします?」

「いやいやいや、悩むほどのことでもないだろ」

「え、うわ!?」

ツナの腰を引きよせ、跳躍するといったん門の上に着地し、黒曜センターに入りこんだ

もちろん両肩にはリボーンと白兎がいる

ツナを下ろすと、は真剣な表情でツナを見つめた

「ど、どうしたの?」

「ツナ」

普段見ない表情に顔を赤く染めたツナが疑問を唱える

一拍おいて一言

「ちゃんとメシ食えよ?軽過ぎだ!」

 

 

 

門を通過すると、中には看板の落ちかかった店や、土砂の山があちこちにあった

そこでふと白兎が足を止めた

「これは・・・」

「白兎、どうした?」

かがんで何かに触れている白兎の方に戻り、そこに視線を移すと大型動物の足跡があった

そこにツナ達が同じようにしゃがみこんで足元を見た

「動物の足跡ですね」

「犬ですかね?それにしちゃでかすぎますね」

「爪の部分・・・血よ」

「ひいい・・・まだ動植物園の動物がいるとかー!?」

「あー、意外としぶとく生きてるかもな」

それを聞いて顔を真っ青にして口をパクパクさせるツナ

ブラックジョークが過ぎたか!?

「だーいじょぶだって!その時は私が守ってやるから!」

ちゃん・・・、ありがたいんだけどなんか情けないよ」

ツナーっ!?

さらに元気がなくなったツナになんとかフォローをかけていると、ビアンキがさらに何か見つけたようだった

「木の幹が抉られてるわ・・・」

見るとくっきりと歯形の残った木があった。口の大きさもかなり大きく、掌では覆えないほどだ

「何かの歯形だな」

「え゛ーっ!?木を丸かじりする動物なんている!?」

「いるよ。ビーバーとか」

「ビーバーは削るんでしょ!?」

やっぱりツナに元気を出させるにはツッコミが一番らしい

元気になったツナに安心していると、今度は獄寺が

「あのオリ・・・」

「え・・・、あれこそ前にあった動物園の廃棄物じゃあ」

「おお、獄寺よくやった。食いちぎられてんぞ」

「なぁあぁあ!?」

これまた歯型ばっちり、格子ぼっきり☆

近寄って調べようとすると、後ろで草の揺れる音がした

「気をつけてください!なんかいる!」

「うしろだ!!くるぞ!!!」

茂みから勢いよく飛び出してきたのは、狼かと見紛うほどの大きな黒い犬だった

飛び出してきた犬は山本に飛びかかり、その鋭い牙で咬み付こうとするが山本が間一髪で止める

その拍子に漂ってきた悪臭には顔を歪めた

そのまま犬を押し返そうとした山本が、目を見開いた

「・・・・・・こいつ!!すでにやられてる!!」

犬の口からどす黒い血が吐き出され、山本の顔にかかる

死んでいる犬に驚いたツナ達だが、山本の声を合図にしたように次々と犬が現れる

そのうちの1匹が獄寺に衝突し、それも死体だということが分かった

様!後ろです!!」

「うお!?」

白兎の声ですぐ背後まで犬が迫ってきていたのを知った

変な声は出したがすぐさま銃を引き抜き犬に向ける。だが引き金を引く前に、犬が蹴り上げられた

「ボケッとしてんじゃねぇよ!」

「隼人!サンキューな!」

ニッと笑って礼を言うと、獄寺は目をそむけの手を引っ張って走り出した

・・・前から思うんだが、私の笑った顔は見るも耐えがたいか?

犬を矢で射ぬいていた白兎だがなんとなく隼人に向けられていたのは気のせいだと思いたい

「狙われてるわ!早くこっちへ!」

「うわあああ!!」

ある地点までくると、地面がミシミシと不吉な音を上げた

・・・・・・そういえば、土砂崩れがあったってリボーンが言ってたな

ま さ か 

「かかったびょーん」

地面の下から声がしたと思うと、男が飛び出してきて山本に襲いかかった

「武!」

間一髪避けた山本だったが、バランスを崩し倒れこむ

すると地面がひときわ高く悲鳴を上げた

「おいっ!待て!!」

獄寺の静止の声も聞かずに地面の下へと消えた山本に駆け寄り、ギリギリで腕を掴んだ

!お前も落ちるぞ!」

「お前を見捨てられるかっ!」

渾身の力を振り絞って山本を引っ張り上げようとしたが、またもや足元で不吉な音が響いた

「「うわああっ!!??」」

ちゃん!!」

地面が抜け、直後に伸ばされたツナの手は届かなかった

 

 

 

「痛ぁ〜・・・」

「いっつ〜」

ちゃん!山本!大丈夫〜!?」

「お〜う、なんとかな」

落ちたのなんて母上にヘリから落とされた時以来だよ。あれは木に引っ掛からなかったら確実に逝ってたね。自由の女神から落とされかけたこともあったっけなぁ(遠い目

過去のトラウマに浸りかけながら上を見上げると、心配そうにのぞきこむツナ達が小さく見えた

「うおお、随分落ちたな」

「まいったな、ハハハ・・・」

「武さん、笑ってる場合じゃないだろ。どーすんだ。こんだけ深けりゃ戻るの大変だぞ?」

「まー、なんとかなんだろ!」

「随分なポジティブ思考だな!!取り敢えず庇ってくれてありがとな」

よっ、という声とともに立ち上がろうとしたが、山本の腕ががっちりホールドしていて離れない

押しても引いても離れない

「えーっと、武?離してくれないか?」

「ダメだって言ったらどうする?」

そんなまさか

白兎に助けを求めようにも、はるか上空にいる白兎に助けを求めたら、もれなく凶器が降ってきて武の命が危なくなる。っていうか、確実に殺られる

「うおわぁ!?」

「・・・チッ」

ほぼ密着状態にあるこの状況をどうしようと思っていると、すぐ脇に頭ほどの石が落下

よけた瞬間に山本が舌打ち

上を見ると何か背後にドス黒いものを背負ったツナの姿が見えた

ちゃんから離れろよ。汚れるだろ」

ツナーっ!?(本日二回目

「助けそこねたヤツに言われたくねーのな」

武ーっ!?(山本ver

「ホントに離れてください。うっかりして凶器を落としますから」

白兎ーっ!?(白兎ver)ってか断定してるよ!!

腹黒揃い三人踏みに囲まれた隼人があわれでなりません。ビアンキは意外と平気そうな顔してるけども

なんかもう半端ない黒さに泣きそうになっていると、ちょうどいいところで背後に気配を感じた

すかさずタガーを抜き取り構える

ちゃんッ!!右に何かいる!!!」

私オンリーか、教えるの

暗闇から四足の何かが立ちあがり、日の中に姿を見せた

は顔を横切る大きな傷から誰か思い出した

「あああああ!!お前さっきのストーカー!!」

「「「「「はぁぁあぁあ!!??」」」」」

 

 

 

<あとがき>

ひっさびさですね。何かテスト後からあんまり進まず・・・

黒曜編からツナが黒くなるといいなぁ← そういえば、ツナが黒くならない理由が分かりました!白兎が先に黒くなるからだッ!