長年の苦痛をランチアは話しだした

 

一応書類は読んでいたが、まさかここまでひどいものだとは思わなかった

 

六道骸

 

やはりお前のことは許せない

 

拳を握り締めたとき、ランチアが私とツナを突き飛ばした

 

無数の針がランチアに突き刺さった

 

 

 

 

 

標的12 六道輪廻、もう一回廻らせてやろうか

 

 

 

 

 

ツナが男をボコ殴りにしていた件ですが、本人たっての希望で(命令で)なかったことになりました(ぇ

だって満面の笑み(ブラックな)がついてて、断れる人なんかいるんでしょうか?

何だか開けちゃいけない箱を開けたような気がしたは身震いをした

あれが"ボンゴレの血ブラッド・オブ・ボンゴレ"だった日には、私泣くよ。自分もあんなになっちゃったら泣くよ

超直感がおまけで、ホントはあの黒さが本体じゃなかろうか。え、私もそのうちなるのか

衝撃的な事実を前にして、私は頭を抱えるしかなかった。地面に寝かせたままのランチア、それに木にもたれかかったまま、今だ気絶している武が目につく

ツナ達は先に行かせてしまったが、さして問題はないだろう。一応は経験のある人材だ

ツナについても、これの程度でくたばるなら・・・

先程のツナを見れば、到底くたばりそうにもないか

よっ、というかけ声とともに立ち上がり、木を挟んで武の後ろに座った

ほどなくして近くの茂みがガサガサ言い始め、よく見知った顔が現れた

「ケガ人置いてくの!?の人でなし、鬼畜!」

「おー、気配の読み方がガサツなお前がよく言うよ」

一人で叫んでいた葵の肩が面白いほどに飛び跳ねた。っていうか体自体だな

ノッテの後援者サポーターからこっちに踏み入れて、すでに五年は経つというのに、葵は今だに気配を読み取るのが下手だ

思いっきりしかめっ面をして、木の影から出てくると、見当はずれな方を見ていた葵は目を丸くした

幾度あの顔に落書きをして、しかえされたことか

「解毒剤はできたのか?」

「当たり前ー。変態ヤブ医者よりも早くできたしね。ザマーみろ」

「やっぱり見込んだだけのことはあったな」

ウエストポーチからケースを取り出した葵は、透明な液体の入ったビンに注射器を突き刺した

透き通った注射器に、液体が満ちていく。葵はそれをランチアの腕に刺した

液体は見る間になくなり、元の状態に戻った

もう一本用意しようとした彼女を静止する。武は柿本の攻撃を受けていない

それを聞いた葵はガーゼやら湿布やらを取り出して、二人を治療し始める。白兎ほどではないが、一流のソレだ

「あり?十代目ファミリーは?」

「先に行かせた。こんなとこで足止めくらってる場合じゃないからな」

「大事な十代目をここに残して、アンタが行けばよかったのに」

「アイツが負けるとでも?」

「薄薄はね。だって"ボンゴレの血ブラッド・オブ・ボンゴレ"は目覚めてないんでしょ?だったら、ただの青春真っ盛りの中学男児じゃん」

包帯の端を口でくわえた葵は言う

包帯を伸ばす葵を見ながら、は一理あると考えた

 

 

しかし

 

]世デーチモを目覚めさせるのにこれ以上の好機はないだろうよ」

 

 

葵はその言葉に、思わずため息をついた

「ほんっと買ってるんだ。あの子のこと」

「何?」

聞き返したの言葉を聞こえなかったフリをして、葵はランチアの腹に湿布を貼り、上から叩きつけた

○ライデント・タックルばりの勢いである

一瞬断末魔的なものが漏れた気がしたが、その時はその時だ(ぇ

「買いかぶりすぎ。いくらボンゴレ十代目だからって、まだ右も左も分からない一般人なのにさ」

「これからのことを考えてるんだろうが」

「どーだか」

「何が気に入らない?」

カバンを漁っていた葵の動きが止まった

葵は深くため息をつくと、くるりと振り返っての目を見つめた

「棺桶に片足突っ込んでるのが分かってないでしょ」

 

は?

 

が訳も分からず困惑していると、葵はの隣に腰を下ろした

「私はよりこっちの世界は短い。だけど裏に来た以上は、表に関わりすぎると危険だってことぐらい分かってる

あんまり依存してると、あとで死にたくなるのはなんだから

仕事だと思って割り切らないと」

 

こっちに来たのはツナの護衛のため

 

それくらい分かっている。だからは葵に諭される意味が分からなかった

別に依存しているつもりはないし、戻ってこいと言われればすぐに戻るだろう

そもそもは何故マフィアに生まれついたとか、そういうことを悲観したことはないのだ

ツナに危害を加える者がいれば、問答無用で地獄を見せる

今はツナ達を信用するしないの問題ではなく、ツナの器を計る時期なのだ

それでツナが死に追いやられても、それはそれで仕方がないが、骸を捕まえるのはになる

ボンゴレ後継者も他に移る

「別に依存などしてない」

「今のながーい間はなんだか」

はフッと鼻で笑った

「お前が訳の分からないことを言うからだろう。これだから田舎娘は」

「そこに世話になってたのはどこの誰だったけ〜?」

短く笑ったは立ち上がった

通りすがり際に、山本の頭をくしゃりと撫で、ランチアを一瞥する

 

「葵」

 

気のない返事を返した葵に、振り返らずに言葉を続ける

 

「後始末は頼んだぞ」

「ラジャッ!」

 

今度は元気よく返事を返した葵の視線を背中に受け、は骸のアジトに向かって行った

 

 

 

<あとがき>

すっごい久々ですね。スムーズにとか言った自分が恨めしいっ!

初めてかもしれない真面目なお話。前半はそんな匂いは毛ほどもしなかったけどね!

原作沿いってやっぱり難しいね。早くオリジナルなトコまで行きたいよママン