標的16 ケンカ売り
「面白い遺言だね」
僕を倒すだなんてとんでもない。ましてやを連れていくなんて。
あの子がいなくなったら不出来な風紀委員どもの書類の修正は誰がやるっていうの。
それにせっかくいいストレスの吐き出し口を見つけたのにいなくなられたら困る。
「だーれが吐き出し口だ」
「勝手に心の中を読まないでくれる」
「読心術は標準装備。それにもうすでに使用中だ」
誰に!?
逐一問いただしたくても女子の赤ん坊との斜め47度に飛んだ視線がそれを許さない。
いつかその黒歴史を明らかにする日はくるのかな。
「僕に許可なくと話すなんていい度胸してるじゃないですか」
「いつから許可制になったわけ?束縛するやつって嫌われるよ」
「・・・」
あ、黙った。
個人的な考えを言っただけなんだけど、そう的をはずした考えでもないらしい。
を見ればいい笑顔だ。
・・・ちょっと可愛いかもなんて思ってないからね。
骸の否定を求める視線はかなり迷惑そうだ
勝った。
半ば勝ち誇っていると、骸が睨みつけてきた。
「そうやって僕たちの仲を引き裂こうったってそうはいきませんからね!」
「引き裂く以前の問題でしょ」
「雲雀の言う通りだ。引き裂けるほどの仲になった覚えはない」
ダメだ。こいつの相手をしてると疲れる。こういうのは沢田綱吉の管轄だ。
だけど彼を見てもの手厚い看護を受けてこっちを見てさえな・・・、
まさか確信犯・・・!?
そう思ったけどまさかほぼ単身でこいつのところに乗りこむ勇気があったなんて思えない。
だってできれば近づきたくない。
「待っててください。未来の夫が今行きます」
「来んな。むしろ逝け」
初めて心の叫びというものを生で聞いたよ。
しかもちっとも骸のこと見てないのに、そこだけ速攻で拒否するって結構ひどいよね。
その叫びを照れ隠しと受け取ったやつは、顔を赤らめて突進してきた。
反射的に避けた。
「ちょっと!なんで避けるんですか!そこは応戦するところでしょう!」
「気持ち悪いんだから仕方ないよ」
「さすがに僕だって傷つきますよ!?」
「じゃあ砕け散れ」
一撃を振るった。まさか当たるとは思っていないけど、骸はそれを受け止める。
できれば一発で仕留めたかったけどね。
だって不快じゃないか。
僕の舌打ちに対して何か文句を言われたけど、完全に無視を決め込んで続けてトンファーを振るう。
そこでと女子の赤ん坊の話が聞こえてきた。
「今の雲雀と同格ってことはハンデなしに戦ったら、骸が勝つってことだよな?」
グサッ
彼女の言葉が矢のように突き刺さる音が聞こえた気がした。
胸を押さえて痛々しい笑みを浮かべるやつを見て、ここぞとばかりにトンファーを振り上げる。
「ですが幻覚の一つや二つに惑わされるような雲雀様の方が弱いのでは?」
グサッ
この至近距離で攻撃を外した。
ナポーごときなんかより弱いなんて認めないし、ありえない。
という女子に負けた時点で心に傷を負ってるのに、本当にそうだったら砕け散る勢いだ。
そこ、納得しない。
あれなんでだろうなんか泣きそう。
骸も同じ気持ちだったらしく、目があった。しかし即座にそらす。
パイナップルと見つめあうだなんて気持ち悪い。
「それに」
「、ちょっとアルコバレーノを黙らせてくれませんか?一切集中できません。
のエンジェルボイスを聞けなくなるのは残念ですが、未来の夫の勝利を信じて待っててください」
ナイス!
では決してない。聞き捨てならない内容が聞こえた。
ただそれを南国果実に指摘するには、言葉を発するカロリーさえあまりにもったいない。
しかも口答えした相手はあの赤ん坊だ。
「私はともかく様に命令するなどいい度胸してますね。
シロップ漬けにされたいんですか?」
「ごめんなさい」
「そのシロップって血液のことだよね?」
「あなたも黙りなさい」
「ごめんなさい」
僕は何してるんだろう。なんで赤ん坊に土下座してるんだろう。
あの二人が来るまではこんなこと考えもしなかったのに。
あの赤ん坊に会ってから、確実に命を守るためにするだろうとは思ってたけどね。
はるか前方で赤ん坊が鼻を鳴らす。今年最大の難関は乗り越えたらしい。
「そもそも私は様の夫は誰よりも強くなくては認めません」
それは最終的に君と戦えってことだよね!?確実に!!
思わず鳥肌が立った。回避する方法があったらいくら払ってでも知りたいよ。
「アルコバレーノに認めてもらうためにもさっさと終わらせましょうか。
の夫にふさわしいのはこの僕ですからね」
「すごいよ君。もうバカを通り越して天才だよ。
尊敬にすら値するよ」
「正直に君に尊敬されても吐き気がします。
がしてくれるなら、可愛らしくてどうにかしたくなりますけどね」
何言ってんだこのバカー!!
牙をもった兎のこめかみに血管が浮く。死の宣告の開始じゃないかと思うほどいい笑顔だ。
しかも目が笑っていない。
相当図太いやつなのか、それともただのバカなのか。気にとめることもない。
僕だったら速攻で謝り倒すよ。
え、プライド?知らないよそんなもの←
随分変わった自分の思考に我ながら驚愕していると、不意に視界に異物が横切った。
また頭上から桃色の花弁が降り注ぐ。
木々は淡く光り、風もないのに枝を揺らして嫌がらせのように花弁を散らせてくる。
一瞬動きを止めてしまったものの、あのふざけた病気は本当に治ったようだ。
減給しようかと思ってたけど、考え直してあげないこともないね。
勝ち誇った顔をした骸めがけて、恨みつらみを込めた一撃を骸の横っ面に放った。
<あとがき>
文章能力の低下が著しいです。きっとどれもこれもFF]Vのせいですええきっと(ぇ
これからはちゃんtやるって誓います。誓いたいです誓いたいなぁ←
いやでも今回は仕方なかったんだ!兄貴のサイバーテロがあったから!
そしてさっさと黒曜編終了させたい。このあと考えてた展開を削除しようかな。もしもバージョンであとからUPするとか。