標的18 生物兵器の出所

 

 

 

 

 

辺りに白っぽい糸のようなものが出現した。

犬の後ろを見るとその根源はマユと化したレオンで、しかも次第に大きくなっていく。

この際レオンは爬虫類であって、蚕的なものではないだろうということは捨て置く。

 

「アルコバレーノ、ずいぶん野暮なことをしてくれますね。

は僕と一緒に大人の階段を上がろうとしているんですよ」

 

「おめーとなんか上がれるわけねーだろ。

こいつは形状記憶カメレオンのレオン。オレの生徒が成長すると羽化するオレの相棒だぞ。

どういうわけか生徒に試練が訪れるのを予知するとマユになるんだ。

ディーノん時は”跳ね馬のムチ”と”エンツィオ”を吐き出したんだぞ」

 

「そ・・・そーだったの!?」

 

「へぇ」

 

リボーンマジックですね分かります。

およそ以外では納得しないような理由から何度も頷いていると、いつの間にか馬乗りになっているのが犬から獄寺に変わっていた。

入れ替わった時を見逃すとか私はもうマフィア失格でいいと思う。

 

「いつまでも君達の遊びに付き合っていられません」

 

リボーンを狙った犬の標的はレオンへと移った。そしてトライデントで真っ二つに切り裂いた。

リボーンの相棒になんたる仕打ち!

ってか獄寺も近い!

獄寺のファーストキスを守ろうと躍起になって、六の文字が浮かぶ瞳を睨みつけたとき、上に何かが弾かれているのを見た。

 

「リボーン、あれ!」

 

「ああ、あれが新アイテムだぞ」

 

「あれが・・・」

 

「いや、でもおかしくないか」

 

視力のいい目がその形を捉えた。

赤と白のコントラストが眩しいそれ。

 

「え・・・?あれ・・・?」

 

静かにツナの顔に着地した。

二つで一つのそれは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「毛糸の手袋〜!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・」

 

「こんなんでどーやって戦うんだよ!?

エンツィオとか武器出るんじゃないのかよ!?」

 

エンツィオって武器なのか。

リボーンのお茶目サプライズなのか本気なのか計り知れないまま、力づくの冷戦は続く。

獄寺だからいいんじゃね?とか思い始めた自分はもう末期だろう。

だが獄寺の意識が戻って知ったら、羞恥のあまり自爆しかねない。

 

「あれだ。手が冷えると照準がズレるからだな」

 

「オレ銃とか持ってないし!

ちゃん目ぇ泳ぎすぎ!」

 

しまった。バレた。

レオンから武器が出る噂は聞いても、まさか雪合戦の必需品が出るなんて聞いてない。

あ、じゃあ、一応武器だ。

納得・・・

 

「するわけねぇだろ!!」

 

「ッ!!」

 

渾身の頭突きが顔面に入った。

下手な鈍器より威力があるので、獄寺は思わず手を離した。

NASAもびっくりな脳に傷がついたらすまない。そのときは生涯をかけて償うから(金銭的な面で

 

「ちょっと貸してくれ!」

 

毛糸の手袋を引ったくり、中をのぞいてみる。

今気付いたが甲の部分に27って編んであった。

リボーンの(ここ重要)レオンが出したんだから何もないはずはない!

見つけた。振ってみると中から一つの弾丸が転がり出た。

一見すると普通の薬莢に見えるが、それだと意味を成さない。

 

「・・・特種弾?」

 

「そいつだな。

そいつをよこせ」

 

「おう」

 

弾くようにして投げると見事にキャッチした。

リボーンは私のツボを知ってるとしか思えない。

両手でキャッチとか私を萌え死にさせる気なのか。

 

「撃たせるわけにはいきませんよ」

 

犬が牙を剥いて襲いかかり、爪を立てて引き裂こうとする。

リボーンは飛びあがって逃げるが、背後にいたビアンキに腕を掴まれた。

 

「ばっ、お前そんなに乱暴に扱ったら腕が折れるだろうが!

どこぞのパイナップルと違って繊細なんだからな!?」

 

「そのパイナップルってもしかしなくても僕ですよね」

 

リボーンの腕が千切れた。

現実ではありえない事態には発狂する。

 

「あああ!何してくれたんだ貴様ぁぁあぁあ!!

嘘だろ!?マジで焼く!埋めてやる!!」

 

「冷静になってください!こんなことありえるはずないでしょう!?」

 

「すまないリボーン。このことは私が人生を懸けて償うから。

手始めにあの腐れナッポーを惨殺することから始めるから」

 

「そりゃいいな。だが残念なことにオレは無傷だぞ」

 

そう言ったかと思うとビアンキの手に残った腕が姿を変え、レオンになった。

道理であれから姿を見なかったのか。

安心したが、その拍子にリボーンの手から弾丸がこぼれ、遥か彼方へと飛んでいく。

犬とビアンキは勝利の笑みを浮かべたが、それに帰すようにリボーンも笑みを浮かべた。

 

「白兎!」

 

「全く。様以外から命令されるのは不快極まりないのですが」

 

刀を鞘ごと引き抜くと同時に弾を打った。

緩やかな弧を描いていた金属は軌道を変え、目にも泊まらぬ速さで標的に向かう。

 

「させるかっ!」

 

駆け出す千種の頬を何かが掠めた。

 

「そうはさせない」

 

両手の拳銃から硝煙を立ち上らせたがいた。

千種は焦りもせず、にこりと笑う。

 

「あと一人忘れていますよ」

 

獄寺が飛び出し、ツナへダイナマイトをばらまいた。

ツナの顔が絶望にゆがみ、次の瞬間

爆風に消えた。

 

 

 

 

 

 

 

「忘れてなどいない」

 

 

 

 

 

 

 

煙の中にいるボンゴレボスになるであろう少年を見つめながら言った。

 

 

 

<あとがき>

空気の白兎の最大の見せ場←

削除予定だったシーンを書くことに決めました。いや、だってもう終わるしね。終わるよね?(聞くな