かの初代ボンゴレボス・ジョット様も額に炎を灯して戦ったという。

 

 

 

・・・ちょっと惚れそうだ。

 

 

 

 

 

標的20 惚れた男はボスだった

 

 

 

 

 

へし折られ弾かれたトライデントに危機感を覚えた獄寺とその素早さに驚いたビアンキはツナと距離を取った。

ツナは壊れ物でも扱うようにを床に降ろし、通常時よりも鋭くなった瞳でを見つめた。

バキューン!

一目で運命を感じ、二目でフォーリンラブ!

あのときこの人に一生ついていこうと心に誓ったんです(後日談

 

「一人で戦わせてすまなかった」

 

「いいって。個人戦のほうがやりやすかったからな」

 

なんて素晴らしい!こんなにも敬愛するジョット様に似ているとは思いもしなかった!

初代本人に見つめられているような気がして、顔を赤らめる。ほとんど夢見る乙女と化していた。

だがはそこまで初代を崇敬していた。というかノッテの家系は代々、初代狂いが多いのだ。

恐らく夫とどっちが大事なんだって聞かれたら、即答で初代って言うくらいに。

それで見合い話が一つ終わったくらいである。

天にも上る気持ちで、上目遣いでツナを見る。するとツナは突然凍り付いたように動きを止めてしまった。

ごめんなさい。気持ち悪いのは分かってます(違

 

「いつまでも触ってんじゃねーぞ」

 

「・・・チッ」

 

舌打ちしたよこの子!

しかしツナに謝れと叱る気になれない。初代を叱っている気分になって身投げしたくなるだろう。

 

「その頭部の闘気(オーラ)・・・。

なるほど・・・、特殊弾が命中していたのですね。

しかしランチアと戦っていた時にはもっと荒々しかったようですが・・・」

 

「小言弾はツナの静なる闘志を引き出すんだ。死ぬ気弾とはまるでちがう、まったく新しい力を秘めた弾だからな」

 

小言弾・・・。それだけ聞いたら嘆き弾と同種のように思えるが、別に愚痴り始める訳ではないようだ。

こんなところで愚痴られたら全力の膝蹴りが飛ぶ。そもそも初代似の顔でそんな醜態を曝してもらいたくない。

 

「その心配はねーぞ」

 

「リボーン、勝手に人の心を読むのはどうなんだ」

 

「気にするな。私も読心術は標準装備だ」

 

小言弾により目覚めた”ボンゴレの血”。

”見透かす力”とも”超直感”とも呼ばれるボンゴレの血統特有の力はノッテファミリーのルナの家系にもある。

超直感は何らかの反動で現れることが多いのだが、小言弾はその反動の役割を果たすようだ。

リボーンが親切にも教えてくれたことから推察して結論づけた。

 

「フッ、僕には戦意喪失して意気消沈してるようにしか見えませんがね」

 

嘲笑う骸を一瞥してツナは一歩踏み出す。

 

「おっと忘れてしまったわけじゃありませんよねぇ。

これはお仲間の体ですよ。手をあげられるんですか」

 

その人さっき思いっきりビアンキを殴ってたけどな!

そうは思いつつも、条件反射というやつかもしれないという考えにいたり、代わりに一歩前へ出た。

 

「]世、ここは私が」

 

骸との距離を詰めようとすると、傷だらけの腕が目の前を阻んだ。その持ち主はやはりツナで、不審に思うの瞳を覗き込む。

 

「オレに任せてくれ」

 

まさか断るわけにもいかず、渋々手を引くが本当に獄寺たちに手を出せるのか不安だ。

そもそも獄寺の不良顔に怯えていたチキンツナに勝機はあるのか?

 

 

 

 

 

あああ!やっぱり!

 

 

 

 

 

獄寺の肘鉄がヒットした。どこか切れたのか血が飛び散る。

それに続くようにビアンキの蹴りが腹に入り、ツナはいかにも痛そうな呻き声を上げる。

手を出せない煩わしさからくる苛立ちと戦っているうちに違和感を覚えた。

どうもツナの動きが鈍らない。

攻撃されてるんだから動きがどうとか関係ないだろと言われればそれで終わりなのだが、

よく見れば自分から当たりに行っているように見える。

 

「あれほどの攻撃では防いでも避けもビアンキ様方の体に負担がかかってしまいます。

沢田様は今攻撃をいなして二人の体を守っているのです」

 

「白兎」

 

今度は見えた。

獄寺の拳を片手で受け止め、スピードを落としているのが。そしてそこから繋ぐように獄寺の首に手刀を叩き込んだ。

顔が歪み、大きくバランスを崩す。

 

「打撃で神経をマヒさせる戦い方を直感したな」

 

私でも数ヵ月はかかったのに、ツナの潜在能力には鳥肌が立つ思いだ。

 

鍛え方次第では化けるな。

そう直感した。

 

続けざまにビアンキにも手刀を食らわせ、意識を失った二人はぴくりとも動かなくなった。

恐らく骸も出ていったのだろう。

 

「白兎、処置を頼む」

 

「嫌ですよ」

 

「・・・」

 

「私がやっておこう。白兎ほどではないが腕はあるぞ」

 

「頼んだ」

 

「急にいばんな」

 

二人を託して見つめる先には骸の姿。頭から血を流してはいるが、特殊弾だけあって致命傷にはならなかったようだ。

まあ、そんなものなら使い物にならないし、骸もそんな危険を侵してまで使わないだろう。

 

「この程度で図に乗ってもらっては困りますね。

僕が持つ戦闘能力のうち、まだ一つだけ発動していないことにお気付きですか?」

 

「一つ?」

 

地獄道、餓鬼道、修羅道・・・。

 

「え、三つじゃないか?もうろくしたかこの変態」

 

「天界道はマインドコントロールのことですよ。

他の二つはあなたに見せてませんでしたね。僕の全てを見たいんでしたら、是非今夜」

 

「寝首掻きに行くぞパイナップル野郎」

 

右目に突き刺さした指は中をかき回し、一際嫌な音がしたかと思うと血の涙の間から見えた五の文字。

そのどす黒いオーラには寒気さえ感じた。

というかグロっ。

そのまま脳みそも抉ってくれればよかったのに(ぇ

 

 

 

<あとがき>

最早自分が何を書いているのか分からなくなってきた←

このあとシリアスが少しあります。アッハハ、書いたのは昔だけど、今の私の心境にぴったりじゃないか・・・(泣