6.Carehree safe returan person
『あの女が死ぬぞ』
そう言われて思い出したのが、井上を送っていったのことだった
井上の家に死神化して行く途中で、虚は肉親を襲うと聞いた
だが、の方が霊圧は絶対に高いし、恐らく井上が襲われれば身代りにもなる
そう思った途端、一気にスピードを上げた
急に上がった速さについていけず、ルキアが後ろにつんのめる
ルキアは抗議しようとしたが、一護のただならぬ表情に思わず言葉を飲み込む
井上が襲われると聞いたときよりも、切迫した表情
「どうしたのだ、一護!?」
「が井上を送って行ってから、が自分の家に帰ってねぇ!!」
それだけ言うと、一護はいちだんとスピードを上げた
ルキアは悟った
も知り合いが襲われれば、自分の命さえも捨てられるヤツで、恐らくもそうだろう
もしかしたら、まで失うかもしれない
一護の肩を掴む手に力が入る
井上の住むアパートに着くと、そこには惨状が広がっていた
壁には巨大な穴があいており、部屋の中の惨状が見えた
肩から血を流し身動きをしないたつき
その向こうにはうつぶせになって倒れている井上
そして、二人の間の血だまりに倒れているもう一人
「!!」
一護がに駆け寄る
下に下ろされたルキアはその場に虚の霊圧が感じられないのを知った
遅かったか・・・!
自分の無力さにルキアは奥歯を噛みしめた
一護は血に濡れたを抱き上げた
腹の辺りには何かが貫通したように、丸く穴が開いていた
触れた体は、冷たい
普段の快活な笑顔はどこにもない
「くそっ・・・!!」
なんで俺は、 に何もしてやれない?死神になったとき、やっとを守れると思った
けど、結局は何も変わらない
冷たくなったの体を抱きしめる
「こんの、セクハラ変態野郎がぁぁああぁあ!!」
の放った飛び蹴りは、寸分違わず一護の頭にクリティカルヒットした
不意を突かれた一護は、そのまま吹っ飛ばされ自分の固めた霊圧で顔面をぶつけた。チッ、落ちなかったか
「何しやがる!!」
文字通りガバッと音のつきそうな勢いで起き上がった一護がこちらを向く
「はぁ!?それはこっちの台詞じゃボケェ!!誰の許しで人の体に触ってんだよ!?」
一護が吹っ飛ばされたと同時に、手放した自分の体を難なくキャッチしながら言う
一瞬、一護は言い返そうとしたが蹴りを飛ばしてきた人物が誰か知って唖然とする
膝まで伸びた銀色の髪の毛と見慣れた青みがかった黒い瞳
それは紛れもなくだった
そして、その服装は黒い着物
「お前、死神だったのかよ!?」
「みたいだなー。なんでだか知らないけど」
ほんと、なんでだろうなー
そんなことを思っていると、ルキアが配水管をよじ登ってきた
「!?お前、生きてたのか!!」
「勝手に殺すな。この通りピンピンしてらぁ」
その場で一回転して無傷なのを伝えると、一護もルキアもほっとした顔をした
その時、着物の袖口から古傷のようなものが見えた
が倒れた時と同じ所にある
一護はそう思ったが、そんなことすぐに忘れてしまった
しかし、虚はどこに行ったのだろう
「、虚はどうしたんだ?」
「私が成仏させてやった。アイツ、織姫の兄だったよ」
「知ってる」
「初めはあっちも攻撃してきたんだけどな、何とか説得できて、で織姫特製ようかんとバナナのネギバターソースを食べてった」
「なんだよそれ」
レストランのメニューに載っていたら、迷わず見なかったことにしそうな名前につっこむ
そもそも虚って魂しか食わねえんじゃねえか?
一護は、頭をかかえて唸る
心配した自分がバカみたいだ
「うん、馬鹿だね。私は、簡単には死なねぇよ」
「心を読むな!」
「井上はどうしたのだ?」
ルキアが口をはさむ
ここまで、気楽にいられるなら井上は生きているはずだ
それに応えてが言った言葉は、ある意味衝撃的だった
「あー、うん。さっきまで起きてたんだけど、騒がしかったから、ボディーブローで死んで・・・ケフンケフン沈んでもらった」
「お前、何やってんだよ!?今、あきらかに物騒なの聞こえたぞ!?」
「人生細かいこと気にしてたら、生きてけないぞ☆」
「お前、織姫のこと好きではなかったのか?」
「そうだけどさ。衝撃が大きかったろうなぁ〜、と思って、てっとり早く夢の世界へGO!織姫の部屋の寝かせといたから、ルキア、織姫を元に戻してくれるか?」
先ほどまで、戦っていたとは思えないの態度にルキアは驚く
こういうところまでに似ている
だが、今日はっきりした
はではない
霊圧も斬魄刀も全く違う
ほっとすると同時に、何か熱いものがこみあげてくる
何を期待していたのだ、私は
日番谷隊長も雛森副隊長もあきらめがついていたではないか
「ルキアー!ついでに私の体も治してくれー!穴あきじゃ、ゾンビ疑惑が浮上しちゃう」
ルキアは、を見た
いつでも笑顔を振りまく
ルキアはその時、とを比べるのをやめた
<あとがき>
別に連載終了ってわけじゃありません(汗)終りがそんな含みがありますけど、違いますから!
次はコンを出します!ごめんよシバタ!