なんだこの変態は
7.Imitation
本日はめずらしく一人で登校。なぜなら、一護が一心の魔の手にかかって、天に召されたからである(ぇ
寝ぐせがまだ残っている髪を弄ぶ
「ふぁあぁ〜」
とても女の子とは思えないほど、豪快なあくび
ここだけ見れば、男子用の制服を着た男っぽい子で済むが、は違う
つい最近、プロフィールのレパートリーが増えたのだ
職業欄に、「死神」と
・・・精神科に送られて、隔離されそうだ
の目の前を、真黒な黒猫が通った
「おお、縁起がいいな〜。」
は呟いた。いや、黒猫は縁起悪いって言われてるけど、本当はいいらしいですよ。(本気で
どっちかってーと、白猫のほうが印象悪いような
死神の着物が黒いのもあって、なにかの縁を感じ猫の前に座り込む
猫はピタリと止まると、を見上げた
猫の目が見開かれる
何かを言いそうに、口が形作られたが、その前にが口を開いた
「お前、本当に猫か?そんなに利口そうで、猫って人生損してんな〜」
手を伸ばして、頭をなでると、は立ち上がった
「じゃ、学校遅れるんで」
そう言うと、はその場から立ち去った
その場に残された、闇色の猫はぽつりと呟いた
「、ではないのか・・・?」
その呟きは、には届かなかった
in学校(早っ!
教室のドアを開けると、茶渡ことチャドの肩にインコが乗っていた
「ありー、チャド?カゴに入れとかないと、逃げんぞー?」
「・・・ム、か。」
「よっ!おはよう!」
にこやかにそう告げると、チャドの傍による。チャドの顔が微かに赤い気がするが、気のせいだろう(違
チャドとは中学時代からの知り合いで、が絡まれていたチャドを助けたことにより、仲良くなったのだ
本人曰く、ゴーイングマイウェイ!だそうだ(わけ分かんね
ようは道で群れていたヤツラが邪魔だったらしい
あまりしゃべらなくなったことと魂魄の存在が感じられなくなったので、シバタの魂はもうないことが分かる
「インコ、しゃべらなくなったな」
「朝起きたらこうなってた。一護とは来なかったのか?」
「某日、黒崎一護は天に召されましたー」
ハンカチを取り出し、泣くフリをする
チャドは、密かにガッツポーズをした
と二人きりで話せる機会など、そうそうあるものではない
クラスの者、男女問わず好かれているは、競争率が激しい
特に、男子はに近づきすぎると、一護やその他面々に撲滅される
チャドは、一護達が来るまで、としゃべっていたとさ
「イやっほーい!!おっべんとだあーっ!!」
二時限目が、終了した途端に織姫がシャーペンやら消しゴムやらを撒き散らしながら、立ち上がった
たつきは、あきれたように声をかける
「何言ってんのたつきちゃん!健全な女子高生たるもの、学校には、おべんと食べに来てるようなもんですぞ!?」
「それは違うぞ、織姫!」
どこからともなくの声がして、織姫ろたつきは辺りを見回す。は、先ほどの授業で「ああっ!山が私を呼んでいる!!」と言って、脱走したのだ
しかも、山と正反対の方向へ
そんなことを考えていると、天井の板が落下してきた
「うわぁ!?どっから入ってんの!?」
「学校へは、サボるために来るもんだ!」
スタリとすっごいかっこよく降りてきたは、織姫にズビシィ!と指をさす
一同、それじゃ学校来なくてもいいじゃん、とツッコミ
そして男子生徒はがスカートを履いていないことに、今ほどショックを受けたことはないだろう
「てことで、お弁当食べよう!」
「ぜんっぜん話の筋道が通ってないけど、いいよ」
「ちゃん、たつきちゃん、今日のおべんと何!?私は食パンとあんこ!!」
「よしよし、残念ながら私はフツーの弁当よ」
「私は、五段弁当だ!」
でん、と机においた弁当箱は、おせちに使うような重箱
しかも、五段
「あんたほんっとによく食べるねぇ」
「しかも、四段はデザート!」
「それ、おやつじゃない?」
が、弁当を広げるとほとんどがデザート。ふっ、スウィーツのない人生なんて、腐ってるも同然!!(管理人もそう思う(ぇ
すると、横から熱い視線を感じた
見てみると、ものすごく羨ましそうな織姫
ちくせう!可愛いな!
「織姫、自家製あんぱんと交換ならいいよ?」
「わぁ、ほんと!?ちゃん大好き!!」
私も大好きさ!お互いに抱きしめあう、と織姫を見てたつきはため息をついた
こんなのが二人で、大変だけど引き寄せられる
織姫と会えたのは、のおかげだし、のような親友を持ててよかった
そう思うと独りでに笑みが浮かんだ
「そうだ!たつきにもあげよっか?」
「え、いいの!?の作るのは、なんでもおいしいんだよね!」
「いっしょにおべんと食ーべよv」
と言った千鶴の動きは一瞬にして、フリーズした
「「うん!いいよ!」」
口をそろえてと織姫が行っているが、その時の状態が問題だ
織姫は、食パン一斤丸かじりしながら、ほっぺに食べかすをつけて微笑む織姫と、
口についた生クリームをなめとり、笑いながら言う
千鶴のハートにゲットイン!!してしまった
「さっすがわたしのホレた女!!特に!!何!?今はデレの時間!?」
「いや、ツンもデレもないと思うけど」
今日は比較的まともな登場だなぁ〜と思ったのもつかの間、急に様子の変わった千鶴に引きながら答える
なんで私が、ツンデレキャラなんだよ!?
遠い目をしながら、現実から逃げていたの耳にさらに千鶴の爆弾発言が
「いろんな意味で
た・べ・ちゃ・い・た・いvv」
「はいぃぃいぃい!!??」
「をそっちの道にユウワクすんなぁ!!」
音速の勢いで、千鶴からを引き剥がしたのはたつきだ
私、危なかったよね。千鶴がため息つきながら薔薇飛ばしてる時は、本気の時だもんね
「が嫌がってないんだから、いーでしょー?あんたにゃカンケーないでしょ?」
「の友達なんだから関係ある!」
「サンキュー、たつき。私、あと少しでホテルに連れ込まれそうになったことが何回あるか」
「ちょ、千鶴ぅ!?あんた何やってんのよ!?」
「いっつもあと少しで、一護とか茶渡にジャマされんのよね〜。ちっ、いつか二人とも殺してしまおうか・・・」(ボソッ
「お〜い、千鶴さぁ〜ん?」
たつきと織姫は、チャドの意外な一面を見た
「こ、この変質者がァ!成敗してくれる!」
「ホホホホホホホ!!」
たつきと千鶴のコントを見ながら、ジュースを飲む。これは、一護と一心の戦闘並に日常茶飯事なので気にしない
織姫が勢いよく立ちあがった
「織姫どうした?トイレなら、教室出て右・・・」
「黒崎くんのにおいがした!」
「織姫ー、見えてるよー」
今日のパンツは白でした(変態)
たつきはそんなわけないと織姫をなだめている
「(気配はしないんだけどなぁ・・・)」
お前は忍者か
一人ボケツッコミをしていると、窓から一護(らしき人)が飛び込んできた
・・・真咲さん、今日も平和です(ぇ
「ここ・・・、1年3組であってるよな?」
たつきの叫び声が響いた
たつきは、織姫との前に立って庇うが、に至っては未だにジュースを飲みながら、我関せずといった顔をしている
どうやらこの人は、1階から3階まで飛びあがってきたらしい
いりゅーじょんですね(カタカナで言え
教室内は一護の行動に戸惑い、ざわつくが当の本人はなんだか惚れ惚れした顔をしている
ナルシストは嫌いじゃボケェ(誰
いきなりキョロキョロと辺りを見回し始めたソイツの視線は、全て女子に注がれている
「く・・・、くろさきくん!」
織姫の声に反応して、ソイツの視線がたつきの後ろの織姫に向いた
織姫の胸のあたりを見ると、目が輝いた
そして、飛びかかった
「だぁああぁあ!!何してんじゃテメェェエエェエ!!」
ソイツの顔面に足裏がジャストフィットした!
蹴られたその男は、そのまま地面に倒れ伏す
「私の織姫に触れるんじゃねぇよ!!シュレッダーにかけて欲しいのか!?つーか、ポッと出が目立ってんじゃねぇよ!!」
ポッと出で目立っていいのは冬獅郎だけです by.ルーチェ
襟を鷲掴みにすると、顔面を近づけ、叫び倒す
の胸が一護の体に触れた。
すると突然、ソイツの目が嬉しそうになった
・・・眉間の間に皺のない一護って、なんか変だな(酷
「特盛の上に、絶世の美女!!」
「はぃ!?」
絶世の美女って、織姫のことを言うんじゃないんですか?
反論しようと口を開こうとすると、その男の顔が近くなった
唇に何かが触れる
「???」
何が起こったか分からずに硬直。クラス全員も硬直
そして、教室の窓から入ってきた死神姿の一護とドアから入ってきたルキアも硬直した
その間に、一護の体を乗っ取ったソイツは、窓から飛び降りた
を抱いたまま
「ギニャァアアァア!!??」
「ああ、てめぇ!!誰のカラダだと思ってんだぁ!?ってか、を返せ!!」
色気もへったくれもない声を出しながら、私とソイツはプチ☆バンジージャンプ!!
そして、華麗に着地
「・・・100点。」
「サンキュー!!」
そして、愉快な逃走劇が始まった
以前、抱き抱えられながらもとソイツは商店街を駆け抜けた。違った、飛びぬけた
どういうことで一護の体が乗っ取られたのか知らないが、コイツは何者なんだろう
「なぁ、お前は誰だ?」
「誰って、黒崎一護だよ」
ものすごく嬉しそうに笑いながら言うが、一護の笑い方はこんなじゃない
それに霊圧が低すぎる
「違うだろ。あの時一護は、死神になってた。体は一護でも、魂は違うんだろ?」
「!?」
ソイツの手に力がこもり、私から目をそらした。笑っていた顔から、笑顔がなくなる
「本当のこと言っても、何もしないって約束するから、私にだけでも話してくれない?」
笑いかけてやると、ソイツが口を開いた
「・・・俺は改造魂魄だ」
「何だソレ?」
その男は、話しだした
自分が魂を抜くための義魂丸であり、もう少しで破棄されるところだったことを
何も言わずに最後まで言わせてから、ポケットに手を突っ込んだ
ソイツは多分何かされると思ったのだろう、身をこわばらせる
しかし、が取り出したのはビンに入ったカラフルなコンペイトウだった
「取り敢えず、そこらへんで話さない?」
微笑みながら、休憩を提案した
「尸魂界ってそんなこともできんだな〜」
口に入ったコンペイトウを転がす
とある屋上に行った二人は、一緒にコンペイトウを食べていた
「しっかし、尸魂界の奴らって最悪だな!いくら自分たちで作ったからって、魂だぞ!?そんな簡単に殺していいもんじゃないだろ!?」
最悪だ。勝手に計画しておいて、殺すなんて
口の中にあるコンペイトウをかみ砕く
一護の体に入ったソイツは、さっきっから黙りっぱなしだ
「元気ないな、どうした?コンペイトウは嫌いだったか?」
「いや、そういうわけじゃ・・・」
また沈黙したが、意を決したように顔を上げた
「コレ、お前の義兄のカラダなんだろ?」
「うん、まぁ、そうだけど?それがどうした?」
どうやら私の言葉に驚いたようだ。目を大きく見開き、こちらを見ている
「返せとか言わないのか?」
「なんで私が、そこまでしなくちゃいけない?それに、一護が取り返しにくるし、こなかったらお前のモンだろ?」
意表をついた言葉に、ソイツはまた目を見開く
「自分の面倒くらい、自分で見ろってな!」
そう言うと、また笑った
不思議だ
この女と一緒にいると、いままで悩んでいた自分が馬鹿だったみたいに思える
「そーいや名前ないんだよな?じゃ、お前は今日からコンな!名前ないと不便だろ?」
はコンに向かって微笑んだ
コンもつられて、笑う
が、すぐにが立ちあがった
「どうした、?」
「虚が・・・!」
そう言い終わるか終らないかの時に、行き成り虚が現れ、に襲いかかった
はそれをかわすと、コンに向かって叫んだ
「コン!逃げろ!」
「お前はどうするんだよ!?」
虚が標的を変えた
「コン!危な」
虚の爪がコンをかすり、血が流れ出した
また、血が騒ぐ
今度のは紛れもない怒り。前も怒りの感情があったが、これほどまでではなかった
あの時は、久しぶりで嬉しさが勝ったのか・・・?
だが、あのときがはじめてのはず
は精神を集中させた
織姫の兄との時もできたんだから、今もできるはずだ!
ゆっくりと一歩踏み出す
すると、うしろで何かが倒れる音がした
確認もせずに、虚に飛びかかる
不意を突かれた虚は、避ける間もなく腕を斬り落とされた
「グぁああぁあ!!」
「やかましゃぁああぁあ!!ご近所迷惑だろぉがぁ!!」
今度は、体の中ほどを突き刺す
「いでー!!」
「!って、お前、自分で死神化できんのか!?」
「このノロマ!今まで何やってたんだよ!?コンがケガしただろうが!!」
「コンって誰だよ!?」
「テメェの体に入ってる魂!!」
剣先でコンを示す
すると、一護は駆け寄って行って、襟を掴んだ
「何ケガしてんだよ!?これ、誰のカラダだと思ってんだコラァ!!」
「てめーがノロマだからだろうが!!」
一護の頭を鞘で殴る
すると、また抗議してきたので、こんどは顔面をはたく
そんなことをしていると、虚がまた飛びかかってきた
「「「うるせェっ!!」」」
一護との斬撃とコンの蹴りが虚を弾き飛ばされた
二人の斬撃が、虚の仮面を割ったのでこのまま消えるはず、だった
しかし、コンは虚の弾き飛ばされた辺りを見ると、駆け出し、虚の下に行くと蹴り上げた
すると、まだ地面につかない間に虚が消滅した
コンは、それを見ると安心したようで、ほっとした顔をした
「コン!落ちるぞ!」
勢いをつけすぎたのか、コンin一護はフェンスの向こうへ出てしまっていた
が、一護がその体をひっぱりあげる
コンはアリの行列を守ったらしい
そして、尸魂界でのことを話し始めた
「!無事か!?」
「お、ルキア!」
今まで見ていたらしいルキアがこちらに向かって駆けてきた
「ケガはないか!?」
「全然平気。そんなことよりもさ、コンはこのあとどうなる?」
「あの義魂丸のことか?」
小さく頷くとルキアが難しそうな顔をした
恐らく破棄されてしまうのだろう
どうにかならないのかとルキアに聞こうとすると、何か軽くて硬いものが地面に落ちる音がした
振り返ると、ゲタを履き、帽子をかぶった男が立っていた
「浦原喜助ぇ!?」
「お?サンじゃないスか!!」
「、知り合いなのか!?」
「知り合いもなにも、そこらへんの駄菓子屋の店主で、私が行くと必ず抱きついてくる野郎だよ」
抱きつこうとしてきた浦原を打破しながら、一護に返答を返す
すると、何故か一護が浦原に殺気を送っていた
「さ、任務かーんりょー。サンとイチャつきたいところだけど、帰るよ!」
「えー!!何だよ、せっかく久々にバトれると思ったのにー!!」
浦原の手の中には、ビー玉のようになってしまったコン
このまま行くと破棄されてしまう
奪い返そうと、一歩踏み出すとルキアが浦原から奪った
改造魂魄は違法らしく浦原は焦っているが、ルキアはそれを説き伏せた
「・・・知りませんよ?面倒なことになったらあたしら姿、くらましますからね」
「心配するな。最近は面倒にも慣れた」
そう言うとルキアは一護にコンを渡した
「ルキア!コンを捨てさせないでくれてありがとな!」
「うわ!!?」
はルキアにお礼を言うと、抱き締めた
喜助がなんとも言えない笑みを浮かべていたとは知らず
<あとがき>
シバタ編は略したけど、一応出してみました
チャドと浦原も出してみたけど、極限微妙な感じです・・・
ヒロインは甘党の大食いです。でも、太ったことがないというミステリー
そして、またもや謝罪。すまない真咲。お前の出番が極限に減った
次回は・・・、観音寺出さないとダメかな〜。でも、雨竜でもいっかな〜。もしかしたら、意表をついて全く違う人で、オリジナルかもしれません