「何これー!!??」

 

は後ろにキラキラが飛びそうな勢いで、辺りを見渡して叫んだ

 

 

 

 

 

13.Inviolable reason

 

 

 

 

 

浦原商店地下

 

 

 

そこには若干荒地っぽい雰囲気を否めない巨大な空間が広がっていた

「すっごい何これ!!??あれじゃん、戦隊もののアジトみたい!!!」

「戦隊ものにこんな荒れた空間ねーよ」

の顔面パンチがクリティカルヒット

幼少のころに戦隊ものにハマったのは、の方だ

一護も人並みにはハマっていたものの、の知識といったら軽く周りが引くくらいだった

それについていけたのは、たつきだけだったとか

「いやー、さすがっスさん!そんないい反応を見せてくれるなんて!!」

「これってさ、構造どうなってんの?」

「道路とか他人様の家の下を、我々のオーバーテクノロジーを駆使してナイショで作ったんですよ」

「それって犯罪なんじゃねぇか?」

唯一マトモな一護のツッコミが、やけに空気を読めていない気がしてならない

にとっては不服以外のなにものでもなかったらしく、冷ややかな視線が一護に突き刺さる

その気まずさを振り払うかのように、一護は修業を始めるように促した

 

 

 

「と超思わせぶりな前振りの割に」

 

 

夜一の皿にミルクをどぽどぽと注ぐの背には哀愁が漂っている

ちなみにミルクは40℃きっかりだ

「放置プレイじゃねーかこのヤロぉぉおおぉお!!!!!」

空になった牛乳瓶を全力投球

それは狙い違わず喜助に大命中っ!

瓶は衝撃でパリーンと音を立てながら粉々に砕け散った

「愛が痛いっ!」

「愛じゃねーよ!100%純粋な憎しみだコラァ!!」

「まあ、落ち着け

「夜さん止めないで!こいつには百発殴らないと気がすまない!」

「一桁多いぞ」

「いや二桁多いッスよ」

顔面を押さえてよろよろと立ち上がった喜助がすかさずツッコむ

普段から一護と取っ組み合ってるような人間に、十発や百発も殴られてたら誰だか判別できない顔になる

喜助は帽子に残っていたガラスをつまみあげ、ペッと投げ捨てると、少しばかり拗ねたような顔でを見た

「初めは納得してたじゃないッスか」

「初めはね。そりゃ夜さん可愛いし、面白いし、マトモだしね?

だけどさ、あっちでバタバタされてたら気になるし、私もやりたくなるのは当然のことだ!!」

あからさまに最後の「マトモ」を強調している

誰のことを指しているかは皆さんもお分かりだろう

初めて喜助に夜一を紹介されたときは、さすがのも驚いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わけがなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒猫が一言口をきいた瞬間、のテンションは臨界点を突破し、喜助の腕から夜一を掻っ攫い、高笑いをしながらどこかへ消えさったのだった

 

いや、まさに嵐が来たかのようだった

 

六日ほどして帰ってきたかと思えば、どこから持ってきたか牛乳と皿と頭には夜一を携えていた

それまでの行動は一切が不明である

「そう言われましてもねぇ・・・」

喜助は困った風に頬を掻いた

はもう一押しと口を開こうとしたが、そこに夜一が割り込む

「いいではないか。喜助もお主の腕前を知って修業をつけるのを嫌がっておるんじゃろう?」

「スタイルがどうたらとか言ってるけど、私の全部自己流だから

ちゃんと基礎から身につけないといけないんじゃないの?こういうのって」

「自己流で大虚メノス・グランデ倒せるんスから、ここで壊すのはもったいない!」

「一護だって自己流で、結構デキるほうじゃん!」

今にも掴みかからんばかりのを夜一はじっと見ている

 

 

喜助が教えない理由

 

 

確かにそれなりに腕は立つとは聞くが、死神に負けては意味がない

夜一はこの前の出来事を、それほど詳しく把握しているわけではなかった

だから推測するしかない

女だからと遠慮しているのか、いやそれは考えにくいだろう

だとしたら他に考えられるのは・・・

 

 

 

 

「一護のバカやろぉぉおおぉお!!」

 

 

 

 

の怒声で夜一は一気に現実に引き戻された

パチパチと目を瞬いて、皿にわずかに残ったミルクを見る

こんな考えは自分の望みにすぎない。終わったことに考えを巡らすのはよくない

彼女は再びミルクに口をつけた

「おい!!急になんだよ!!」

「苺のくせにひいきされやがって!!晩ご飯のおかずにハバネロ仕込んでやる!!」

「マジでやめろよそういうの!!」

切実な一護の叫びもは無視した

そしてまた喜助に文句を言おうと振り向くと、いない

「くーろさーきサン☆よそ見してると死にますよん☆」

「ほぎゃぁぁあぁあ!!」

「あ、ちょ!話は終わってない」

「じゃ、サン。布団で待っててくださいね!」

「てめっ、人の妹に何言ってんだ!!」

「戸籍じゃ違いますよ?」

「ウルセェっ!!」

背後の爆音に気づいて、また一護のほうを見るとまた一護が喜助にリアル鬼ごっこを仕掛けられていた

止めようとするも、二人はあっという間に遠ざかっていく

はジャスティスハチマキの台詞を額当てに書いて、接着剤で二人の額にくっつけてやろうと心に決めた

 

 

<あとがき>

修行の話はこれで終わりです(ぇ

だって憐菜は修行しないんだもん!何書けって言うのさ!←

次はお祭りの話ですね。そして次の次の次くらいにはルキア救出編に!!